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「韓国が第2のウクライナに」中国紙が警告。四面楚歌の韓国ユン大統領は「親日」に舵切りか=勝又壽良

日本を袖にできない事情

韓国が現在、直面している外交事情は、朝鮮李朝末期と非常に良く似ている。

進歩派(民族主義)は、「中朝ロ」へ親近感を持っている。保守派(自由主義)は、親米派である。韓国では、「日本」の存在について言及することはタブーである。だから、保守派といえども、公然と「親日」と言ったらその途端に「白眼視」される雰囲気だ。

この環境を作ったのが、最近では文政権である。

だが、その嫌いな日本は、G7(主要7ヶ国)首脳会議で唯一、アジアを代表している。ロシアのウクライナ侵攻では、G7に日本が入っていることで、欧米だけの集団でなくアジアも網羅する点で、ロシアへの圧力をかける正統性が付与される。韓国は、日本を毛嫌いしていると、李朝末期の外交と同じ轍を踏む可能性を持つであろう。

現に、日本はアングロサクソン系と深いつながりを深めている。具体的には、米英豪の3カ国である。とりわけ最近は、英国との関係強化に進んでいる。このことから、120年前の「日英同盟」再来という声さえ聞かれる。

日英同盟は、1902年に締結され、第1次世界大戦後の1923年まで世界における両国の立場強化に大きな役割を果たした。この日英関係は、中国の台頭やロシアのウクライナ侵攻という国際情勢の変化に対応すべく、新たな次元での関係強化が注目を集めている。

岸田首相は5月5日(現地時間)、ロンドンで英国ジョンソン首相と会談した。両国の軍隊が「円滑化協定(RAA)」締結に向け大枠で合意した。これには両国の防衛関係者が入国する際にビザを免除し、兵器や弾薬を即座に搬入できるとする内容が含まれている。RAAは、事実上の軍事同盟に準ずるとも評価される。

これによって、日英両軍は共同軍事訓練をさらに増やし、円滑に行うため、いつでも大規模部隊が相手国に入国できることになった。日本がこの協定で合意しているのは、米国の外に今年1月の豪州に次ぎ、英国が3カ国目になる。日本は、フィリピンともRAA交渉を始めることで合意している。

日本は、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機について、英国の航空防衛機器大手BAEシステムズと日本の三菱重工を主軸とする日英での共同研究開発事業とする方向で調整に入った。5日の日英首脳会談に基づき、年末までに正式合意する見込みという。機体は、三菱重工とBAEシステムズが参加し、エンジンは造船重機大手IHIと英ロールスロイスが協力する形で検討している。『産経新聞 電子版(5月14日付)』が伝えた。

韓国メディアは、こうした日英の接近について強い関心を持っている。

日英が120年ぶりに関係復活の背景に、当時とよく似た世界情勢が影響していると見ているのだ。20世紀初めに英国は、ロシアの帝国主義的急膨張に脅威を感じ、ロシアの南下を阻止するため日本と手を結んだ。日本は世界の予想に反し1905年の日露戦争で勝利を収めた。今回も日英両国は、ロシアと中国の膨張を阻止するため利害関係が一致した。ブレグジット(英国による欧州連合からの離脱)以来、アジアにおける影響力強化と大英帝国の繁栄復活を望む英国の「グレート・ブリテン戦略」とも軌を一にしている。

出典:120年前のロシアけん制再び…復活する英日同盟 – 朝鮮日報(2022年5月7日配信)

国際情勢急変の際、日英が提携を深めるのは、両国が「海洋国家」特有の外交感覚を持っている結果である。

その点で、韓国進歩派(民族派)はすこぶる鈍感である。保守派は「開眼」しているが、韓国国内での意見調整に時間を取られて、李朝末期と同じことになる懸念が残っている。

Next: 経済界は早くも「親日」路線?相次ぐ日韓交流行事

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