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ソロスは第3次世界大戦を警戒、バフェットは買い向かう。大荒れ相場の「先」を当たり屋たちはどう見るか?=菅下清廣

相場を知るには戦史を読め

その時はなるほどと思いましたが、その後、彼が言ったことは今もよく覚えています。

「だから戦史をできるだけ読め。スターリングラード攻防戦でなぜ、ドイツ軍が壊滅したか?日露戦争で劣勢と思われた日本がなぜロシアを打ち負かしたか?第2次世界大戦で連合軍が反転攻勢に出た「D-DAY」ノルマンディー上陸作戦はいかに計画されて実行されたか?など、すべて参考になる」。

ということで、その後、私は司馬遼太郎の『坂の上の雲』や海音寺潮五郎の『天と地と』や、アントニー・ビーヴァー著など歴史・戦史小説をよく読みました。

そこで、この前のGW中には、ウィンストン・チャーチルの名著『第二次世界大戦回顧録抄』毎日新聞社編訳を読みました。さらにもう1冊、『日本人のための第一次世界大戦史』板谷敏彦著・KADOKAWA。2冊とも結構、読み応えがあります。ウクライナ戦争の行方を考えるうえで、予備知識となります。

戦史だけでは疲れるので、私の大好きなハードボイルド小説も読んだのでご紹介します。大沢在昌さんの大ファンで、新宿鮫シリーズは第1~第12まですでに全部読んで、最新刊の『冬の狩人』『熱風団地』『帰去来』『悪魔には悪魔を』などどれも面白かったのですが、『亡命者ザ・ジョーカー』講談社文庫をまだ読んでいなかったので、休み中に楽しみました。

そして、新しいハードボイルド作家を見つけました。『ヒートアイランド』垣根涼介著(文春文庫)。これは4冊シリーズになっているようなので、第1作の『ヒートアイランド』をまず読んで、なぜか第4作の『ボーダー』最終回も読みました。主人公の“アキとカオル”のキャラクターがいいです。垣根さんのほかの作品も読んでみようと思っています。

ウォール街の「当たり屋」たちの最新予測は?

閑話休題、ウォール街の当り屋ジェフリー・ガンドラックの予想についてです。「当り屋」とは相場予測がよく当る・的中率の高い人のことです。

ダブルラインキャピタルというヘッジファンドの創業者で、大富豪のジェフリー・ガンドラックは、年初からFRBの利上げでマーケットは荒波の中の小船のように揺れるだろうと予測していましたが、まさにその通りの展開となっています。

そして、遅くも2023年には米国はリセッション(景気後退)になると予想しています。

また、テスラの創業者で世界一の大金持ちのイーロン・マスクは、米国経済の先き行きに悲観的になっています。今年の春頃もしくは夏頃からリセッションになる。経済危機、金融危機の到来もありうると懸念しています。

また、世界三大投資家のひとりジョージ・ソロスはすでに第三次世界大戦が始まっていると言っています。

総じて、悲観的な見方です。

ただ、もうひとりの世界三大投資家のひとりであるウォーレン・バフェットは、「有事に買いむかえ!」とばかりに株式保有額を増やしています。

果して、米国は不況となるか?リセッションの始まりで株価はさらに下がるか?

Next: 米国株は天井圏、日本株は近い将来「上昇相場」に入る?

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