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スリランカ「国家破産」で大統領が“逃亡辞任”、救うのはプーチンかイーロン・マスクか?=浜田和幸

インド洋の楽園「スリランカ」が債務不履行に陥り国家破産を宣言。デモ隊が公邸を占拠するなど暴動が続くなか、逃避していたラジャパクサ大統領が辞任を表明したことで大混乱が起きています。ロシアのプーチンに支援要請を出していましたが、どこまで助けてくれるのかは不明です。そして最後の望みの綱として、あのイーロン・マスク氏の名前が取り沙汰されています。(「浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』」浜田和幸)

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※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2022年7月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

スリランカが「国家破産」へ

インド洋の楽園と謳われたスリランカが沈没の危機に直面しています。

と言っても、温暖化による海面上昇によって島が飲み込まれるということではありません。

同国を収めてきたラジャパクサ一族の経済政策の失敗により、債務不履行に陥ってしまったのです。

しかも、コロナの影響で頼みの観光客は激減してしまいました。

それまで観光客の大半を占めていたロシア人ですが、ロシアが欧米から経済制裁を受け、外貨での支払いシステムSWIFTから排除されたため、海外旅行ができなくなっています。

モスクワとコロンボを結ぶアエロフロートもサービスを中止したままです。

日本とも関係は深く、農業や水産業を学ぶために技能実習生らが多数来日していました。

有名な未来学者兼SF作家で、小生とも親しかったアーサー・C・クラーク氏もこの島に魅せられ、晩年は活動の拠点を移したほどです。

ところが、急速な経済発展を目指し、裏付けのないまま紙幣を乱発した結果、史上最悪の財政破綻に陥ってしまいました。

インフレ率は54.6%、食料品は80%の値上がりに

この6月、インフレ率は54.6%を記録し、食品価格の上昇率は80%を超えました。

燃料不足は深刻化し、学校も政府機関も閉鎖されています。

国内の至る所でデモや騒乱事件が発生しており、旧宗主国のイギリス政府も「渡航禁止令」を出したほどです。

かつて韓国が経験したように、IMFの管理下に入る可能性も高く、調査団が入っています。

ロシアに助け舟を要請しているが…

そんな中、ラジャパクサ大統領はロシアのプーチン大統領に支援を要請し、「前向きな感触を得た」と希望的な発言です。

これまでインドや中国にもSOSを発したのですが、色よい返事はありませんでした。

ロシアがどこまで救いの手を差し伸べてくれるのか、現時点では不明です。

Next: スリランカの債務は500億ドル。最後の望みの綱はイーロン・マスク氏?

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