厚生労働省が発表している“平均寿命”は、その年に生まれた0歳児が何歳まで生きるのかという基準です。老後のライフプランは65歳の“平均余命”で考えましょう。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
自分がいつ死ぬのかは予想できない
最近、「資産寿命」という言葉が認知されてきました。
長寿がめでたいことではなく、自分の寿命よりも資産の寿命が尽きてしまうことがあるのです。
厚生労働省が7月29日に発表した簡易生命表によると、2021年の日本人の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳でした。
この平均寿命というのは、1年間の死亡状況が今後変化しないとの前提で、その年に生まれた0歳児が、あと何年生きられるかの期間を指します。
つまり今50歳の方が、平均寿命の81歳で亡くなると、いうことではないのです。
ライフプランを考えるには、平均寿命ではなく「平均余命」を活用する必要があります。
長生きしている人は、さらに長生きする確率が高くなりますから、平均余命を使ってライフプランを考えるのです。
厚生労働省が発表している簡易生命表には平均余命も掲載されています。
例えば、50歳の男性の平均余命は32.93年、女性では38.61年です。
つまり現在50歳の男性は、82.93歳まで生存する可能性が高いのです。
同じく50歳の女性は、88.61歳となります。
ライフプランは65歳の平均余命で考える
ライフプランを考えるのならば、65歳の平均余命で考えましょう。
65歳の男性は19.85年、女性は24.73年ですから、男性は約85歳、女性は約90歳で考えるべきなのです。
平均寿命よりも男性で4年、女性で3年長くなります。
ただし年々寿命は伸びていますので、年齢が若い方は、もっと長生きする予定で老後資産を試算する必要があります。
年金だけの生活になった場合の不足額ですが、インフレも考えると2~3%でお金も増えていかなければ、寿命よりも資産の寿命が尽きてしまいます。
老後でも安全な資産運用は、必須なのです。
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