現在ドルが凄まじく上がっていて、記録的なドル高円安になっているのだが、これによってレバナスで大損した人たちもFX(為替証拠金取引)になだれ込んでいる。レバレッジをかけてドルを買うことで一攫千金を狙う。投機で勝てる人はゼロではないが、その行方は……?(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
大勢の人たちが資産を吹っ飛ばすまでそれは続く
現在、ドルが凄まじく上がっていて、記録的なドル高円安の時代がやってきているのだが、これによって「レバナス」で大損した人たちがFX(為替証拠金取引)になだれ込んでいる。
円を売ってレバレッジをかけてドルを買うことで一攫千金を狙うのである。この流れが急激になっているので、鈴木俊一財務相も「投機による過度な変動は絶対に容認することはできない」と言っている。
しかし、一方的な動きが続いている金融商品があると、そこに大挙として投機資金がなだれ込むのは歴史の常である。
日本政府の牽制を尻目にして、これからも為替の変動を舞台にした投機は続いていき、どこかで大きな巻き戻しがあって、大勢の人たちが資産を吹っ飛ばすまでそれは続くと私は見ている。
私自身は「アメリカの経済成長と日本の経済停滞」という構図が変わらない限りは、長期的視点ではドル高円安が基本的な長期トレンドであるとは考えている。
しかし、投機で短期的に行き過ぎた動きになったものは是正される。今のドル高円安の一方的な流れも逆流する地点があって当然だ。為替の変動で投機をしていた人々の阿鼻叫喚は間違いなく見られるだろう。
少し前はレバナス(アメリカNASDAQ市場にレバレッジをかけた金融商品)で投機をしていた連中は死屍累々となっているし、その前は暗号通貨で取引をやっていた連中が資産を吹っ飛ばして消えていった。
投機というのはだいたいビギナーズラックがある
投機にのめり込む人は、自分の人生をそれで破壊しようと思ってのめり込んでいるのではない。FX(為替証拠金取引)や、株の信用取引や、レバレッジを賭けた金融商品や、暗号通貨などにのめり込む人は、破産しようと思っていない。
むしろ、今の「先の見えない生活」から逃れる唯一の方法として、それにのめり込んでいる。
ちまちま働いていても給料は劇的に上がるわけではない。突如として奇跡が起こって大金が流れ込むこともない。今の生活を淡々と続けていても勝ち組になることはない。それが現実だ。
しかし、投機で勝てば一発逆転できる。
投機は資格も要らないし、学歴も職歴も年齢も問わない。カネを賭ければ誰でも参加できる。そして、勝てば貧困から抜け出せる。勝てば借金も返せるし、欲しいものも買えるし、家賃も払えるし、食べたいものも食べられる。大勢の人から賞賛も得られるし、自己満足も得られる。
投機で買った人の話はたくさんある。必勝テクニックも溢れている。勝てる確率はゼロではないのである。負けることもあるが、勝てばすべてが解決すると考える。だから「勝つまで投機をする」という判断をする。
そして悪いことに、投機というのはだいたいビギナーズラックがある。恐る恐る賭けていたら、何となく買ってしまうことがあるのだ。買った経験があると、投機をしていた人たちは、脳が快楽で痺れて次にこのような発想をするようになる。
「もっと大金を賭けていれば良かった。そうすればもっと儲かったのに……」
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