fbpx

ゴルバチョフも消え、そして誰も居なくなる…プーチン周辺で起きる奇々怪々な非業の死=山崎和邦

追いつめられたプーチンは核兵器を使うのか?

プーチンは岐路に立っていると見た方が良いだろう。強気なポーズを取り続けてはいるが、内心は暗殺とクーデターの恐怖に怯えた毎日であろう。自分で何十人も何百人も暗殺毒殺してきたのだから、暗殺を防ぐ方法については、世界中で誰よりも長けているはずだ。クーデターなどの身内の反乱による政権崩壊もないことではない。

核兵器は「使うべき軍事力ではなく、抑止力として持つべきものだ」ということも、プーチンも 百も承知しているはずだ。したがって「戦術核兵器と称する小型核兵器を近日中に使う、その準備をしている」というのは浅薄な見方であって、プーチンは核兵器を実際に使用することはないと思う。ただし、核実験をすることによって、国際社会の反応を探ることはするであろう。プーチンが核実験をする可能性はある。ただし、それは国際社会の反応を探るためであって、直ちに核兵器を使うということではない。

プーチンは、謀略や暗殺を専門とするKGBに、名門大学を卒業してからすぐに就職して、東ドイツに配置されて、そこで東ドイツ崩壊を目の前で見た。その後、タクシー運転手などをやって苦労したが、KGB出身であることを認められて、旧レニングラードの副市長に就いた。

そこが政権への入り口となったのであるが、暗殺毒殺・事故死に見せた財閥の暗殺はお手の物で、その専門部署にいた。彼は工作員として東ドイツに派遣されていたのであった。そんなプーチンだからこそ、裏表を全て知っているはずだ。簡単に核兵器を使えば、どういうことになるかも承知しているはずだ。近日中に核兵器を使うという説があるが、筆者は、それはないと思う。

妙な言い方ではあるが、プーチンが戦術核兵器を使ったならば、それは一つの投資のチャンスであろう。その時に急落したら、それは20年3月15日号で述べた「100年兵を養うは一日これを用いんがため」の時のチャンスではないだろうかと思う。今からそのつもりで市場に接していなければ、その時にまた遅れる。

ゴルバチョフが世界に遺したもの

1991年のレーガン対ゴルバチョフのマルタ共和国における会談で、旧ソ連は消滅した。そして傘下にある14ヶ国が解放されて、共和国として独立した。当時54歳のゴルバチョフは「情報公開」と「改革」を成し遂げた。その結果、混乱を招いたことは事実だ。改革はペロストロイカと呼ばれ、情報公開はグラスノスチと呼ばれて、世界中で標準語になった。

ゴルバチョフはソ連の外交政策を大きく転換させた。アメリカとの軍縮合意を結んだ。アフガニスタンからの撤退も決めた。ソ連が崩壊する前々年に東ドイツ(ソ連の一部だった)の議会で、彼は演説した。「社会のあり方はその国の人々が決めるべきだ。そして社会のあり方は多様であるべきだ」として多様性の受容・容認を叫んだ。

ベルリンの壁を壊したのは大砲でもミサイルでもない。東ドイツ国民の一人一人がハンマーで壊したのだ。それは西側から入った情報であり、ゴルバチョフの叫びが原因でもあった。つまり、「情報公開と改革」がベルリンの壁を突き破った。

筆者はその直後にドイツに行き、敢えて旧東ドイツのホテルに泊まり、翌日に西ドイツのホテルに泊まった。雲泥の差だった。西ドイツのタクシーは全部がベンツだった。それに対して、わずか数キロしか離れていない旧東ドイツのホテルは、ミシュランの格付けによれば二つ星も怪しい。筆者はハンマーで破壊された「ベルリンの壁」の一部分を一つの「自由への道」のお守りとして、100円位で買ってきた。

45年続いた冷戦を終わらせ、ヨーロッパの1億人の人間を解放し、14ヶ国の旧ソ連構成国の1億5000万人に独立をもたらした。これはゴルバチョフに他ならない。

筆者がレニングラード(旧ソ連崩壊後はサンクトペテルブルグ)とモスクワに行った時に頼んだガイドは、モスクワ大学(日本で言えば東大)のアジア諸国学部出身のイワンという好青年だった。小学生の時にロシア大使館に駐在しているKGB職員の父親と一緒に日本に住んでいたというので、日本語が達者だった。

彼はゴルバチョフのことを全く評価していなかったし、スターリンが最高の指導者だと言っていた。同胞を 何千万人も射殺させたスターリンが優れた政治家であり、ソ連構成国の14ヶ国の1億5000万人に独立をもたらしたゴルバチョフが、最低の指導者だったというのは、これでは議論にならないので筆者は黙って聞いていた。

そのゴルバチョフの基本的な考え方をプーチンは次々と廃止していった。そして不都合な人物は暗殺していった──

続きはご購読ください。<残約15,000字>。

<山崎和邦の投機の流儀vol.541 10/16号>

第1部:当面の市況
(1)市況コメント
(2)日本市場に織り込まれていない短期的な材料は、NY大幅高or大幅安。
(3)ファンダメンタルを無視した為替市場の「相場操縦」の効き目は少ない。
(4)年末までの大まかな見方
(5)日本国内の中長期債、海外勢は8年半ぶりの最大の売り越し。
(6)日銀の景況感
(7)鉱工業生産の9月・10月の見通しは上方修正
(8)「QUICK投資家心理指数は4ヶ月連続で弱気」
(9)ファンダメンタルを無視した相場操縦だけでは、円安は止められない。
(10)「悪い円安論」「良い円安論」
(11)円は12日に146円台後半を付けて、9月22日の為替介入時よりも安値を付けた
(12)日米金利差という為替相場のファンダメンタル要素の落ち着き所
(13)進む円安で、外国人労働者が減った。
(14)米中間選挙、有権者の関心度においてコロナ問題は15位で最下位
(15)個人資金が海外投信へ2.4兆円弱の流入

■ 第2部:中長期の見方
(1)岸田政権の支持率急落は無理もない。
(2)「アベノミクス離れ」ができない岸田政権の衰退
(3)委縮しつつある日本
(4)衰退中の日本を救うのは、新機軸しかない。
(9)「次の株価暴落を乗り切る投資法」
(10)「米国株の逆金融相場は年末まで」「激変した株式サイクル」
(11)「資産形成支援と所得格差拡大の二律背反は、避けて通れない。
(12)東電株の行方    

※これらの項目は有料メルマガ購読者限定コンテンツです →いますぐ購読!

<定期購読ですぐ読める! 10月配信済みバックナンバー>

※2022年10月中に定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2022年10月配信分
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.541(10/16)
  • ★★★2022年10月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(10/16)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.540(10/9)
  • ★★★2022年10月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(10/9)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.539(10/2)
  • ★★★2022年10月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(10/2)

いますぐ購読!


※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』』2022年10月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に購読をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます。

2022年9月配信分
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.538(9/25)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/25)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.537(9/18)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/18)
  • ★★★山崎和邦×武者陵司氏 9/27(火)19時 LIVE Webセミナー開催のお知らせ(9/15)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.536(9/11)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/11)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.535(9/4)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/4)

2022年9月のバックナンバーを購入する

【関連】会社員はやっぱり損?国民年金「月5万円」維持へ厚生年金で穴埋め、それでも今の高齢者を「ズルい」とは言えぬワケ=矢口新

【関連】NHKのバカ高い受信料の強制徴収はなぜ許されるのか?社員の平均給料1000万円、保有資産は1兆円、法人税も免除、政府とのズブズブ関係で肥え太るNHKの闇=神樹兵輔

image by:Gevorg Ghazaryan / Shutterstock.com
1 2 3

山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2022年10月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

山崎和邦 週報『投機の流儀』

[月額1,500円(税込) 毎週日曜日(年末年始を除く)]
大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー