東京ディズニーリゾート(TDR)が新たな「テーマパーク利用約款」を制定し、転売目的でのグッズ購入を禁止行為と定める条項が追加されたことが分かった。
報道によれば、新たに制定されたテーマパーク利用約款は19日に公開されたもので、第7条の禁止行為の項目に「転売目的での商品やスーベニアグッズの購入」が追加されている。ちなみにスーベニアとは、対象のフードメニューなどを購入しないと手に入らない特別なグッズで、食器やコースター、ランチケース、ポーチなどが定番のようだ。
また新約款の制定に伴い、東京ディズニーリゾートの公式サイトに掲載されている「東京ディズニーリゾートからのお願い」には、「より多くのゲストにお買い求めいただけるよう、転売目的での購入はご遠慮ください。」という一文も追加された模様だ。
“フェイク赤ちゃん”でグッズを手に入れる外道な転売ヤーも
人気キャラクターやコンテンツの周りには、必ずと言ってよいほど湧いて出てくるといった印象がある転売ヤー。
もちろんそれはディズニーも例外ではなく、例えば園内のショップにて新グッズが発売されるともなると、そこに入るためのスタンバイパス(整理券)を手に入れるべく、開園前の広場に多くの人が長蛇の列を作るのが風物詩になっていたとのこと。
さらに、“お1人様1点限り”の新グッズを1つでも多く購入するため、ベビーカーに赤ちゃんの“人形”を乗せ、その赤ちゃんの分を買うと言い張って余分に買っていくという、強欲かつ姑息な手口も横行しているというのだ。
当然、そういった方法で入手されたグッズの多くは、ウェブ上のオークションサイトなどにて高値で転売されてしまうのが常で、またその影響でまともにショップに赴いたファンの多くが、目当てのグッズを手に入れることができない状況に陥ることに。
その度にディズニーファンから転売ヤーへの憎悪が募るいっぽう、恐らくはTDR側への問い合わせも多かったと思われ、そのことも今回のような対応に繋がったとも推測されるところである。
TDRといえば、今年9月には園内での「商業目的の撮影」などをお断りする旨のお願いを、今回同様に公式サイト内に掲載。いわゆる無許可撮影のYouTuberやTikTokerといった連中を一掃する方針を打ち出して、従来のディズニーファンから大いに喝采を浴びたこともあった。
今回の件も、さすがに“夢の国”を標榜する施設だけあって、来場者を不快にさせるような存在には、いたって毅然な対応をすることを表明することとなった格好だ。
“お願い”だけで転売ヤーが本当になくなるのか
SNS上でも歓迎の声が多くあがっている今回のTDRによる“転売ヤー出禁”だが、そのいっぽうで利用約款にそう定められたとしても、転売行為の減少に効果が実際にあるのかと訝しむ声が多いのも事実。
確かに、転売行為のためなら“フェイク赤ちゃん”まで駆使するような倫理観が著しく欠けた人々が、そういう規則ができたからといって大人しく従うかといえば疑問符が付くところで、そもそも利用約款の日本語が読めるのか……というのも、実際問題としてありそうである。
いわゆる“イタチごっこ”で対策のしようがないとの声もある転売問題。ただ、近年は転売ヤーの暗躍を許せば、ショップなども批判の的に晒されかねないということもあってか、従来よりも一歩進んだ対策が取られているのを目にすることも多い。
例えば、転売ヤーの格好の餌食にされやすい家電量販店では、以前にも販売されるフィギュアの“商品名を言えない”客を、行列から排除するという対策を行ったことで、大きな反響を呼んだが、つい最近もNintendo Switchの人気タイトル『スプラトゥーン3』関連の周辺機器が発売される際に、実際にそのゲームをやっているかどうかの実績を確認したうえで整理券を配るという対策を行い、これが大きな効果があったと評判に。
2019年京都ヨドバシの店員さんが
エヴァンゲリオンのフィギュアを
転売ヤーから守った話は
記憶に新しいですがこちらもまた
某家電屋の店員さんの活躍動画を
発見しました並んでいるのに
商品名を言えない人を
列から出すという英断を下す店員さん#朝から秋葉原の話題が凄い#PS5見たことない pic.twitter.com/WuRKWIoZ7F— まさき@外資営業/副業EC Seller (@makkyamaenbo) January 30, 2021
ヨドバシすごい!
スプラトゥーンのアミーボ発売日。
絶対転売ヤーだろう中国人を一気に排除笑
ニンテンドーアプリのスプラトゥーンの実績確認で整理券。
スプラやってない奴には売らない!
見てて気持ち( ¨̮ )
半分以上の転売ヤーが居なくなったー
ざまーみろ#スプラトゥーン3#amiibo— ☆natsu☆ (@natsu66423689) November 11, 2022
いっぽう、こちらも大人気の漫画「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」の公式グッズショップでは、今月9日に数十種類の新商品を発売したところ、一部グッズが発売直後に売り切れ、高額転売が相次ぐ展開に。ところが、その直後に同ショップは、売り切れた商品について「完全受注生産」にすると発表し、品薄による価格高騰の皮算用をしていた転売ヤーの目論見を壊すことに成功したのだ。
要するに、良心の欠片も持ち合わせていないような転売ヤーに対しては、これぐらいのことをしないと本当の対策とは言えず、ましてや“お願い”レベルの生ぬるいものでは効き目は全くないだろうということなのだが、そういったことも踏まえて、今後TDR側がさらに効果的な対策を打ち出し、実施できるかどうかにも大いに注目が集まるところだ。
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