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シリコンアイランド復活へ動き出した九州・熊本に投資家が熱視線。成長が期待できる日本企業5社とは?=田嶋智太郎

平田機工<6258>

本社を熊本市北区に置く。自動車、半導体、有機ELなどのさまざまな分野のメーカー向けに、各種生産システム、産業用ロボット、物流関連機器などを製造して販売する生産設備メーカー。開発から生産立ち上げ、保守・サービスと一貫した生産体制を構築している。

足元は、自動車関連設備はEV向けが牽引。自動車関連設備のEV比率は9月末59%に上昇もまだまだ勢い半導体メーカーの設備投資が積極的に行われたことで、シリコンウェーハ搬送設備などの受注および販売も好調に推移。9月末時点の受注残は過去最高の651億円(前年同期比81%増)に積み上がった。

23年3月期は、売上高が前期比19.2%増の800億円、営業利益は同29.7%増の50億円、純利益は同30.5%増の35億円と、大幅な増収増益を見込んでおり、続く24年3月期も大幅増益となることが期待される。

平田機工<6258> 日足(SBI証券提供)

平田機工<6258> 日足(SBI証券提供)

株価は、昨年11月下旬にかけて急騰した後、一目均衡表の週足「雲」上限に上値を押さえられる展開。この「雲」をクリアに上抜けると、そこから上値余地が拡がるものと見られる。

カナデン<8081>

三菱電機の持分法適用関連会社で同社主要製品の販売代理店。同社からの仕入高が総仕入高の6割弱を占める。「FAシステム事業」「ビル設備事業」「インフラ事業」「情通・デバイス事業」の4事業を手掛けるエレクトロニクス技術商社で、とくにFAシステムが顧客企業の設備投資の回復によって駆動制御機器の拡大につながっている。加えて。デバイスも産機関連向け好調。

8月、熊本市に「熊本サテライトオフィス」を開設。TSMCの工場建設をきっかけに、企業進出や設備投資が活発化していることから、関連企業へファクトリーオートメーション(FA)機器などを納入して行きたい意向。

23年3月期は、売上高が前期比9.1%増の1100億円、営業利益は同33.5%増の38億円、純利益は同30.0%増の25億円と大幅増益を見込んでいる

カナデン<8081> 日足(SBI証券提供)

カナデン<8081> 日足(SBI証券提供)

株価は、昨年10月中旬に一目均衡表の週足「雲」を上抜け、目下は1150円処で上昇頭打ちの状態となっている。予想PER=11.0倍、PBR=0.59倍、配当利回り=3.18%と足元の株価には割安感が漂う。

九州フィナンシャルグループ<7180>

熊本県の肥後銀行と鹿児島県の鹿児島銀行が経営統合して誕生した地域総合金融グループ。

貸出金は個人・法人ともに漸増。与信費用一服、新ビル関連経費も剥落で大幅経常増益。2019年、傘下の肥後銀行がJR九州からリース会社を買収し、社名も「JR九州FGリース」に改めた。九州では今後もリース需要の伸びが見込まれる。福岡市では再開発のほか物流施設の新設も盛ん。

熊本県でTSMCの工場建設が進み、同県をはじめ関連産業の立地に伴う設備投資が相次いでいる。肥後銀行と鹿児島銀行は7月、台湾の玉山(ゆいしゃん)商業銀行と業務提携に関する覚書を結んだ。TSMCの進出を背景に、それぞれが持つネットワークやノウハウを持ち寄って経済交流の促進を図っている。

23年3月期は、売上高が前期比6.5%増の2000億円、経常利益は同48.0%増の365億円、純利益は同50.0%増の250億円を見込んでいる。

九州フィナンシャルグループ <7180> 週足(SBI証券提供)

九州フィナンシャルグループ <7180> 週足(SBI証券提供)

株価は、昨年12月下旬に一目均衡表の週足「雲」を上抜け、なおも強含みで推移している。予想PER=7.8倍、PBR=0.30倍、配当利回り=2.65%と足元の株価にはかなりの割安感が漂う。

Next: まだある九州・熊本の盛り上がりで成長が期待できる日本企業

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