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ゆうちょ銀行株の売り出しは買いか?すぐ売れば儲かる?長期投資家が見るべきリスク、他のメガバンクとの比較も=栫井駿介

買っていいのか?すぐ売れば大丈夫?

では、実際に証券会社から勧誘があった時に、応じてよいものなのでしょうか。

売り出しの際には、一般的に基準となる株価から2%~4%のディスカウントがあります。

単純に考えれば、ディスカウントで買ってすぐ売ればそのディスカウント分が儲かることになります。

株価は動くので一概には言えませんが、基本的には有利とされています。

2021年の統計で、売り出しで買って受渡日の始値で売った場合の勝率は65%、平均騰落率は1.3%と、プラスとなっています。ギャンブルとしては”悪くはない”といったところです。

ただし、注意しなければならないのが2019年のかんぽ生命の例です。

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売り出しということは、売りが増えて株価は下がるのが一般的です。

しかし、かんぽ生命の時には逆に上がってしまい、条件決定日から受渡日にかけて大きく下がって、その後も下がり続けるという、売り出しで買った人にとっては大損となったことがありました。

それを踏まえて今のゆうちょ銀行の株価を見てみましょう。

ゆうちょ銀行<7182> 15分足(SBI証券提供)

ゆうちょ銀行<7182> 15分足(SBI証券提供)

3.91%”上がって”います(原稿執筆時点:3月1日)。

かんぽ生命の二の舞にならないか心配なところです。

そもそも、株のプロである証券会社の人たちが売ろうとしているということは、今が高い時であると考えられます。

そこであえて買いに行くことはないのではないかと思います。

まして、成長性も期待できない銘柄ですし、銀行株は全体的に上がっているので、今は『売り時』です。

長期的に考えて、買う理由はないということになります。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by: Terence Toh Chin Eng / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年3月5日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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