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淘汰される日本の平凡なサラリーマンたち。ジョブ型・成果主義・高額報酬制度・人工知能で労働環境は完全に変わる=鈴木傾城

「ジョブ型」「成果主義」「高額報酬制度」で現在社会にマッチした技術を持つスペシャリストは凄まじい年収になる。しかし、その他大勢の労働単価は暴落していく。高額報酬制度で莫大な年収を得る人間がいる横で、非正規雇用であっても仕事が見つからないような社会になるのだ。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

優秀な技術者がことごとく国外の企業に引き抜かれる国

日本の雇用は「年功序列」と「終身雇用」が大きな特徴だったのだが、すでに今の時代はそのどちらも時代遅れとなっており、多くの企業が「ジョブ型」「成果主義」へと転換しようとしている。

ハイテクの時代になると、若手の方が有能で次々と現れる新しいイノベーションに精通していることも多く、こうしたことから技術を持った若者を高額で雇う「高額報酬制度」も始まっている。

「ジョブ型」「成果主義」「高額報酬制度」……。

時代はどんどん変わってきたということだ。今までの日本企業は自社で抱えている若い社員がいかに超絶的な専門知識を持っていたとしても、その専門知識に1,000万円も2,000万円も払うことをせず、通常の賃金の中で雇おうとしていた。

そうでなければ、せいぜい「資格手当」で数万円の差別化をするくらいである。年功序列のシステムの中でそれは当然とされてきたのである。

しかし、国外のシステムは欲しい専門知識を持つ人材がいるのであれば、1,000万円でも2,000万円でも、場合によっては億単位のカネを積んで雇おうとする。その知識で成果物が生み出されれば、会社に莫大な富が転がり込んでくるからだ。

そのため、日本の優秀な技術者はことごとく国外の企業に引き抜かれていった。グローバル化の中で日本の企業は根本的にシステムの見直しを余儀なくされている。もはや年功序列のシステムは維持できない時代となった。

ジョブ型・成果主義・高額報酬制度は、ほとんどの労働者には厳しい環境である。成果が出せないと叩き落とされ、這い上がれない世界だからである。

しかし、逆に言えば、専門的な知識を持った有能なスペシャリスト型の人間には大きなチャンスが舞い込む社会に変貌しつつある。

徹底的に「平均的な人間」を作り出す日本の学校教育

かつて、日本社会は「平均的な社員」を求めていた。今はもう違う。とにかく技能を持ったスペシャリストが求められている。

しかし、日本人はそう簡単に「平均」から突出できない呪縛がある。その呪縛は教育の現場で徹底化されているからである。どういうことなのかというと、学校は今でも子どもたちを徹底して「平均的な人間」に仕立てあげる場所だからだ。

そこで洗脳されてしまったら多くの子どもたちが、良くも悪くもない取り替え可能な規格品になり、そうした人間を求める企業に取り込まれ、ただの「平均的」なサラリーマンになっていく。

学校は、子どもたちを採点する。そして、子どもたちの苦手を見付けてそれを補正させる。得意な部分を伸ばすのではなく、苦手な部分を引き上げさせる教育をするのだ。

そうすると、子どもたちは可もなく不可もない「普通の人間」となっていく。子どもたちは、みんな平均的になっていき、子どもたちも平均的であることを当たり前であると考える。

Next: ただの「平均的」なサラリーマンはどんどん貧しくなっていく

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