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中卒弁理士、川崎重工株“インサイダー疑惑”で炎上。過去には「若い女性は雇用しない」発言で物議。今回も違法行為“風味”ツイートに釣られるアンチが多数か

“中卒弁理士”との肩書でネット界隈で知られている女性が、配偶者から聞いたという川崎重工の内部情報を材料に株を購入するとSNS上で宣言したことが、インサイダー取引にあたるのではとネット上で騒ぎとなっているようだ。

注目を集めているのは瀬戸麻希氏なる人物で、該当するツイートはすでに削除しているようだが、どうやらTwitter上に“今年11月に新ラインの設備を購入”“来年2月からバイクを大量生産”“今年の決算は良さそうらしい”“2025年発売の新機種”など、自身の旦那が言ってたという川崎重工の子会社であるカワサキモータースにまつわる話題を記したうえで、「中長期保有前提で、月曜日、川重2000株買います」と、今月19日の夜中に“宣言”していたとのこと。

このことが先の週末、一種のインサイダーにあたるのでは……と一部界隈で大いに取沙汰されていたのだが、ちなみに週明け22日の川崎重工業株は前日比+105円(+3.71%)の値上がりに。また出来高も最近のなかでも明らかに多いとの見方もあり、SNS上からは「今回ばかりはシャレにならないような……?」といった声もあがっているようなのだ。

実際に川重株を買ったかどうかは不明

上場会社の役員や社員ら会社関係者が、その立場によって得た内部情報をもとに、公表前に株式を売買することを差すインサイダー(内部者取引)。

たとえ株取引の結果として利益が出ず、はたまた損をしてしまったとしても、処罰の対象となる可能性はあるということで、仮にバレた場合は「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科」さらに「得られた財産の没収または追徴」などの罰則があるようだ。

そんなインサイダーであることを重々意識した上で取引を行う不届き者もいる反面、たまたま知ってしまった情報を利用して株式の売買を行ってしまう、あるいは本人はまったく無自覚でインサイダーと疑われるような取引をしてしまうといった、いわゆる“うっかりインサイダー”と呼ばれるような事象も過去には多々あったところ。

近年では、バルミューダの社外取締役を務めていた人物が、同社の業績の上方修正前やスマートフォン事業への新規参入の発表前に、インサイダー取引の恐れがある株取引をしていたことが発覚。刑事罰に問われる事態には至らなかったものの、バルミューダ内で役員報酬の全額返納や減給といった処分が下されるといった出来事があったことも記憶に新しい。

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翻って今回の件なのだが、内部情報をもとにこっそり取引……ではなく、それどころか事前にSNS上で大々的に公表しているということで、こうなると“うっかり”どころかド天然、あるいは無邪気すぎるといった印象もしてくるところ。

ただ、ツイートされたカワサキ絡みの情報に関しては、“今年11月に新ライン”“来年2月からバイクを大量生産”といった話はおいとき、決算の話に関しては今月10日に発表された川崎重工23年3月期決算で、二輪事業などの押し上げで営業利益が2.8倍増となったと、その好調ぶりがつい最近報じられたばかり。

さらに新機種の話に関しては、2024~2025年の2年間で30機種以上のエンジン車を投入するとの発表が、昨年のミラノモーターサイクルショーにおいてあったようで、そのタイミングで「ニンジャ」のペットネームで知られる人気モデル「カワサキGPZ900R」の復活があるのではと、一部メディアで取沙汰されているところ。要は、別段関係者のみが知り得る“極秘情報”といったものでもないようなのだ。

そのうえ、事前に公表はしたものの、実際に瀬戸氏がこの週明け月曜日に川崎重工株を買ったかどうかも不明。正直インサイダーに問われるかどうかというと、かなり微妙な線というか、セーフとなる可能性が高そうといったところだろう。

日頃から“アンチの数は星の数”と標榜

今回、批判を集める格好となっている瀬戸麻希氏だが、自身によるプロフィールによれば、高校中退後に10年間パチプロとして生活した後、25歳に弁理士になりたいと一念発起し、1年の勉強で見事合格。現在は特許事務所とコンサル会社を経営する傍ら、弁理士合格のノウハウの発信、またFXや株、投資信託、不動産、仮想通貨などへの投資活動も精力的に行っているとのこと。

いっぽうでネット上では、今年に入り「批判覚悟ですが、私は、寿退社や産休や育休をされると困るので、若い女性は正社員として雇用してません」という発言をSNS上でしたことが物議を醸し、ネット上のニュース番組などに出演するなどして知名度がアップしていたようだ。

自身のTwitterアカウントネームには“中卒弁理士”という自称とともに、“アンチの数は星の数”“炎上はenjoy”とあるだけに、アンチも相当数存在する存在のようだが、いっぽうでそのことを意に介さないといった素振りから、かなりの強心臓といった印象もある瀬戸氏。

そう考えると、今回の件はド天然発言を装いながらもあくまでインサイダー“風味”、インサイダーだと叩かれるけど、ギリギリそうじゃないラインをあえて攻める発言を行うことで、SNS炎上によるさらなる知名度アップを狙ったものだった可能性も、大いに考えられるところ。実際、瀬戸氏は散々騒ぎになった後の今日22日になって、「私が買わなければ問題ないかと。まずインサイダーにはなり得ないですね。」とも発言しているようだ。

SNS上では、彼女が弁理士会から懲戒を、あるいは配偶者にも何らかの処分があるのではと、半ば期待交じりといった憶測も少なからずあるのだが、もしも今後お咎めなしということで話が終息していけば、多数のアンチを“釣り上げる”ことで大いに注目を集める格好となった彼女にとっては、まさにしてやったりといった展開といったところか。

とはいえ、妙な騒ぎに巻き込まれることとなった川崎重工サイド、さらに弁理士という身分のイメージをある意味で大いに毀損される格好となった同業者からすれば、たまったものではないといった話だろう。

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