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戻ってきた観光客で潤うのは中国人に買われたホテルや商業ビル…2032年には4割の温泉旅館が外国資本になるとの予測も=今市太郎

本邦の主要旅館の4割は中国人投資・経営になる?

事業売却をしようとしているのは地方など僻地の温泉旅館だけではなく、近隣では箱根湯本や熱海など首都圏の温泉旅館でも、中国人投資家が経営を肩代わりする時代が到来しているようです。

もちろんこうしたビジネスに投資する向きは温泉旅館のビジネスモデルに深く関与していくというよりは、あくまで投資先として選択している様子。

いったん事業を取得してもいつまでそれを維持していくことになるのかはまったく不明ですが、日本ならではの温泉旅館ビジネスもすでに海外勢の投資対象となっていることからは、目を背けることができない状況です。

安倍元首相の就任当初、「美しい日本」がどうだとか、東京五輪招致の際には日本の「おもてなし」がどうだといった話が出回ったのは記憶に新しいところ。

しかし今や、その愛された伝統的な文化を組み入れた旅館ビジネスを支えるのは中国・台湾資本なのである……という事実を目の当りにしますと、かなり複雑な心境が込みあげてくるところです。

国内の調査機関であるホテル旅館経営研究所の分析では、2032年までに実に本邦における温泉旅館の所有率の4割が外国人によるものになるといった恐ろしい予測も飛び出しており、こうした流れはすでに止めようのないところに陥っていることが判ります。

ホテルも銀座のクラブのビルでも同様の状況が進行中

もちろん海外勢の事業買収は、温泉旅館だけに留まることはありません。

一般企業の買収からはじまって、旅行業界ではホテルビジネスにも同様の動きが始まっている状況。もっと下世話なところで言えば、コロナでほぼ壊滅状態に陥った東京・銀座のクラブビジネスでもビルを丸ごと中国人投資家が購入したことから、中に入るクラブにまで資本を投下するといった動きがあるようです。

外からの見かけではコロナがいったん終息的状況になったことから、多くの個別ビジネスが元に戻りつつあるように見えます。

しかし気がつけば、その多くを中国人投資家が席捲して買い占めているという、かなり哀しい現実が待ち受けているのが実情です。

Next: もはや米国の口車に乗って中国と対立している場合ではない…

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