盗撮をした男性から現金を脅し取る、いわゆる“盗撮ハンター”と呼ばれる3人組が恐喝と営利略取の両容疑で逮捕されたという報道が、SNS上などで注目されているようだ。
報道によると3人は、都内池袋のサンシャイン通りで、女性の下半身を盗撮していた男性に対し「盗撮は駄目だよ。示談金を払えないなら警察に行くしかない」「会社にばれたらクビだよ」などと言い、現金100万円を脅し取ったとのこと。
3人は盗撮を探す役と声掛け役、恐喝役に分かれていたといい、恐喝役は盗撮された女性の代理人を名乗り、盗撮犯の身分証を撮影して恐喝。近くの消費者金融2か所で現金を引き出させたという。
過去には「女性もグル」といった手口も
繁華街や駅など人通りが多い場所で、盗撮行為を見張っているという盗撮ハンター。捕まった盗撮犯側としては、盗撮行為をしたというやましさから被害を訴え出るケースは少なく、恐喝沙汰が表面化することは少ないとの話もあるようである。
とはいえ、たまたま盗撮現場に出くわすのならともかく、端から盗撮犯が出現するのを見越して待ち構えるというのは、さすがに効率が悪すぎるのでは……とも思ってしまうところなのだが、実際にはここに来て盗撮行為自体は殊に増えているとのこと。
警察庁によれば、去年1年間の全国における盗撮行為の検挙件数は、およそ5,700件に上り、過去最多を更新したという。ここ10年で検挙件数が約2倍に膨らんだとのデータもあるようなのだが、その背景としてはやはり、高機能の小型カメラが付いたスマホの普及が大きいとのことで、スマホを使った盗撮が検挙件数の実に8割近くを占めているようだ。
で、検挙に至った件数だけでもそれだけあるとするならば、表沙汰にならない盗撮行為自体は、そのさらに数倍は多く発生している可能性もあるということで、となれば盗撮ハンターという生業も、充分に成立しうると言えそうである。
さらに今回発覚した件においては、盗撮ハンターが女性への盗撮の瞬間を押さえ、メンバーの一人が盗撮された女性の代理人を騙ったという手口だったのだが、過去には、盗撮被害に遭った女性も盗撮ハンター一味とグルだったというケースもあったよう。
この手口だと、実際に撮られていなくても“冤罪”で脅すといったこともできるということで、ということは「自分は盗撮など断じてしない」といった人間にも、あらぬ疑いを掛けられて脅されるといった災難が降りかかる可能性が、多分にあると言えそうなのだ。
盗撮犯と盗撮ハンターは同じ穴の狢?
そもそも、こういった類の話は“盗撮をする人間が悪い”というのは言わずもがななのだが、とはいえ盗撮犯に正義面で迫り、示談金などの名目で恐喝するという盗撮ハンターに対しても、SNS上からは「クズ」などといった罵声が飛んでおり、なかには「盗撮する方も悪いが、それをネタに強請るって同じ穴の狢」との声もあがっているところ。
【速報】「バレたら人生台無しになるよ」“盗撮ハンター”3人組を逮捕 “盗撮犯”から100万円恐喝か
— おにょへさん お盆まで忙しいです松本零士さん、水木一郎さん、団時朗さんは永遠 (@03DX1) August 1, 2023
「盗撮ハンター」3人逮捕 「バレたらクビ」迫り100万円恐喝容疑 – ライブドアニュース
クズから脅しとるクズ…
マイナカードにデカデカと犯歴書いてくださいな。 https://t.co/Dveds904IP— じゅん (@shibajundesu) August 1, 2023
【悲報】盗撮犯を脅して金を強請る"盗撮ハンター"が3人逮捕される
東京・池袋で男性に対して「盗撮だめだよ。会社にばれたらクビだよ」と指摘し、100万円を脅し取った容疑で無職の松岡洸太郎ら3人が逮捕された。
盗撮する方も悪いが、それをネタに強請るって同じ穴の狢だよな。#盗撮ハンター #盗撮 https://t.co/Trxu8NNyIN pic.twitter.com/DowEdpEGeQ— 爆サイ.com【公式】ツイッター (@bakusai_com) August 1, 2023
もっともつい先日には、過去に盗撮犯を何度も捕まえたという名古屋市の自称・英会話非常勤講師の男が、10代少女のスカートの中を盗撮した疑いで逮捕されたという報道もあり、盗撮犯と盗撮ハンターが“同じ穴の狢”という指摘も、あながち間違いではないようである。
いっぽうで、普通に警察に捕まる可能性にくわえて、近年ではこういった盗撮ハンターの餌食になるリスクもありながら、それでも盗撮件数が減るどころか増えている背景としては、先述したような“スマホの進化”もさることながら、いわゆる「同人AV」の隆盛もそうだが、盗撮した動画をネット上で売って金にできるといったフォーマットが整ったことも、ひとつの要因として挙げられそう。
実際、今年2月にはネット上の一部界隈で“カリスマ撮り師”と呼ばれていた京都市の盗撮犯が逮捕されたのだが、その男が約12年間の間に盗撮動画で稼いだ金額は、なんと1億5,000万円以上にのぼったということ。こういった“仕組み”が野放しになっている以上、盗撮犯はもとより、それにタカる盗撮ハンターの数も、残念ながら減ることはなさそうである。
Next: 「盗撮ハンターハンターの出現も間近か」









