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三栄建築設計、オープンハウスが買収へ。暴力団とズブズブ&度重なるパワハラ露呈の悪名高い両社の合流に「反社が反社を買収」「悪魔合体」など散々な反響

東証のプライム市場上場の不動産販売会社「三栄建築設計」の元社長が、暴力団に対し利益供与をしたとされる問題が、大いに波紋を呼んでいるようだ。

暴力団とのズブズブぶりが指摘されているのは、創業者である元社長の小池信三氏。2020年頃に、かねてから知り合いだったという住吉会系組幹部の男が選定した建築会社に、三栄側が建物解体工事を発注。その際、工事費用を水増しして計上し、その一部の190万円分を組幹部に小切手で交付したという。

22年9月にはこの疑惑に関して、警視庁が三栄建築設計を会社法違反(特別背任)容疑で家宅捜索を行い、小池信三氏はその後の同年11月に「一身上の都合」で社長を辞任。いっぽうで組幹部は、建築会社の元社員に「ぶっ殺して埋めちまうぞ」などと脅迫したことで、今年5月に暴力行為法違反(共同脅迫)容疑で警視庁に逮捕されたという。

その後の今年6月には、東京都公安委員会が三栄建築設計に対して、都暴力団排除条例に基づき、利益供与をやめるよう勧告。さらに今回、三栄側が設置した第三者委員会による調査報告書が公開され、小池信三元社長は工事代金の一部が暴力団員に渡ることを認識していたと結論づけたとのこと。ちなみに報告書では、元社長と暴力団員との間には、20年以上のつきあいがあったことも指摘している。

湘南ベルマーレの“胸スポンサー”を長らく続けるも…

1993年に小池信三氏によって創業された三栄建築設計は、分譲住宅の生産・販売をメインに、注文住宅の請負や分譲マンション事業、投資用アパート事業など手広く行う企業。

「同じ家は、つくらない。」をコーポレートメッセージに掲げ、デザイン・設計にこだわった分譲住宅を提供している点が支持を集め、一代で飛躍的な成長を遂げたようだ。

いっぽうで、国内サッカーファンの間でも三栄建築設計は特に知られた存在だったようで、2010年代前半には横浜F・マリノスとユニフォームスポンサー契約を結んでいたのに続き、2016年からは湘南ベルマーレの筆頭株主に。

同チームの胸スポンサーを、この2016年から長らく続けていた同社だったのだが、小池信三元社長の反社勢力との繋がり発覚などを受けてか、2022年シーズンを最後にユニフォームスポンサーから撤退している。

このように東証のプライム市場に上場しているいわば一流企業、さらにはサッカークラブの胸スポンサーを長らく続けるなど、一般的にも知名度の高い企業の創業者社長が、こともあろうか反社会的勢力とズブズブ、しかもそれが長年に渡っていたというのは、かなり衝撃的な話であるわけだが、今回の報告書においてそのことが完全に裏打ちされた格好に。

そんなかねてからのゴタゴタも少なからず影響してか、今月15日の大引け後に発表された決算では、23年8月期第3四半期累計(22年9月-23年5月)の連結経常利益は前年同期比48.6%減の41億300万円、また純利益も同61.9%減の19億4,900万円と、かなりの落ち込みとなったのだ。

惨憺たる決算も翌日の株価は急騰

ところが、その決算直後である16日に飛び込んできたのが、窮地に陥った三栄建築設計をあのオープンハウスグループが買収し、救済するというまさかまさかの

16日の三栄建築設計株は特に後場になって急騰し、終値は前日比+127 (7.40%)の1,843円と、前日の惨憺たる決算直後とは思えないような値動きだったのだが、その後夕方になり、オープンハウスグループがTOB方針を公開し、新聞・テレビなどの大手メディアが大々的に報じるに至ったのだ。

三栄建築設計としては、反社との関りが露呈したことで、今後取引銀行から新規の融資が望めず、経営の行き詰りは必至といった状況だっただけに、渡りに舟といったところか。また対するオープンハウスも「行こうぜ1兆円!」と拡大路線を続けるなか、ある意味で一番おいしいタイミングで買収を仕掛けられる格好となったようだ。

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しかしながら、オープンハウスも過去に社内でのパワハラ疑惑が何度も取沙汰されるなど、反社とズブズブの三栄建築設計と負けず劣らずダーティな噂には事欠かない企業。それだけに、SNS上では今回のTOBに衝撃が走るとともに「とんでもない組み合わせ」「反社が反社を買収」「悪魔合体かな」などと、散々な言われようとなっているようだ。

オープンハウスグループは、今月17日から来月下旬にかけてTOBを行ったうえ、最終的にはすべての三栄建築設計株の取得を目指すとのこと。買収金額は総額で429億円余りとなる見込みだということだ。

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