パチンコホール大手のガイアが30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したと報じられ、パチンコファンのみならず衝撃が走っているようだ。
1984年に設立されたガイアは、中核となる「ガイア」をはじめ「メガガイア」「サイバーパチンコ」「アイオン」「ガイアネクスト」などの屋号で各地にパチンコホールを展開。ピークの2006年5月期には、5,853億円の売上を計上していた。
ところが、新型コロナウイルスの感染拡大により臨時休業を強いられたこともあり、経営が悪化。さらに昨今の電気代の高騰なども重しとなり、資金繰りに行き詰まって、自主再建を断念することとなった。
いっぽうで今回の件を受け、金融関連業のJトラストは同日、スポンサーとして再建を支援することで、ガイア側と基本合意したと発表している。
過去には薬物&脱税と数々の不祥事
22年末の段階においても全国で103店舗を有し、ダイナムやマルハンそして「キコーナ」を擁するアンダーツリーグループに続く、店舗数の多さを誇っていたガイア。
それだけに今回の負債総額は約850億円にものぼるといい、過去にあった高山物産(2006年)やダイエー(2007年)を上回る、パチンコホールの倒産としては過去最大の規模となった模様。ちなみに、今回同時に倒産となったグループ会社を含めれば、その負債額は計約1133億円にのぼるということだ。
創業から20年後となる2004年に100号店目の出店を果たし、その翌々年には先述した5,853億円の売上を計上するなど、急成長を遂げていたガイア。しかし、その反面で2011年には、当時の代表取締役を務めていた人物が、なんと覚醒剤使用容疑で逮捕されるという異常事態が発生。
さらにその翌年の2012年には、ガイアとそのグループ企業計約20社が、約40億円もの所得隠しを国税に指摘される出来事も。具体的には従業員の給料を水増し計上したり、役員の個人的支出を経費に含めたりと、仮装・隠蔽を伴う悪質な所得隠しだったということで、重加算税を含めた追徴税額は約10億円にのぼったという。
このように、お世辞にもお行儀のよい会社ではないといったイメージは広く持たれていたガイアだが、2010年代になると次第に業績が悪化していき、金融機関からの借入金に依存した資金繰りが続いていたよう。財務内容の改善が迫られるなかで、世の中は世界的なコロナ禍に突入し、パチンコホールが営業自粛を余儀なくされ、その後の客足回復も鈍かったことが、結果的にトドメとなったといった格好のようだ。
昨今のパチンコ業界の衰退とは無関係の動き?
今年のパチンコ業界といえば、3月には老舗のパチンコメーカー「西陣」が廃業するという、大きなニュースがあったのも記憶に新しいところ。
いっぽうでホールの数のほうも、近年は右肩下がりといった状況で、今年上半期のデータを見ると新規店舗数が18に対し、廃業店舗数は322という結果に。1995年には全国に1万8,000店舗あったというパチンコ店だが、今年6月末現在では6,559店舗まで減らしている。
そんな最中での大手パチンコホールの倒産ということで、いよいよパチンコ業界の退潮は明らかとばかりに、同業界のことを日頃から快く思わない向きからは「これは良い流れ」「次はマルハンだ!」など、このまま日本からパチンコ店が無くなることを願う意見も多数あがっているところ。
業界3位の「ガイア」が倒産。
これは良い流れ。
パチンコなんか全部潰れたらいいよ。 https://t.co/FoFXpfmvYv— あんかけナポリ (@napori_ankake) October 30, 2023
パチンコホールとしては過去最大の倒産… ガイアなど7社が民事再生法の適用を申請 https://t.co/wpVSu64nk6 @sharenewsjapan1より 次はマルハンだ!さっさと閉鎖しろ。日本にパチンコはいらない。
— 🎌千葉の次郎長(一心会)本名は愛甲雄一郎 (@tibanojirotyou) October 30, 2023
ただ、コアなパチンコ・パチスロファンからすれば、ガイアといえばとにかく「出ない」、あるいは「出さない」チェーンだというイメージが、それこそコロナ禍などのもっと前から定着していた模様で、その影響もあってか「店内ガラガラ」との声も、以前から多くあがっていたようだ。
ガイアとうとう消えたか
あんな規模がデカイだけのボッタ店がなんでここまで続けられてたのかむしろ不思議だったな— コトブキ (@kotobukizizou) October 30, 2023
パチンコ業界的にガイアは良い時でマルハン、ダイナムに続いて業界3位くらいだった頃もあるんだけども、メチャメチャボッタクリ営業で店内ガラガラが有名で、ここ最近は特に衰退の一方でした。ずっと危ないと言われてたから影響はそんなに無いとは思うけどもネガティブな印象は否めないか。
— びーえむ (@slottersbar) October 30, 2023
それだけに今回の倒産も、昨今のパチンコ業界全体の衰退とはさほど関係なく、単なるぼったくりなホールがその報いで潰れただけでは……といった見方も多く、ファンからは驚きや悲しみよりも「さもありなん」といった反応が多いよう。
ちなみにガイア倒産って普段パチ打たない人からしたら「大手が倒産したんか、パチ業界やばいな」って思うだろうけど、パチ打ってる人からしたら「まぁボッタ店だったしそらそうやろ、むしろ今まで持ってたのが不思議」って言う人が大多数だと思う。
— 蒼野リマキ@お絵描き㌠ (@A_rimaki) October 30, 2023
ガイアが倒産したけど、悲しみの声を全然見かけない。やっぱりみんなガイアにやられてたんだろうな。
スロッター金太郎でAT入れたくてJAC外ししてた分の2000枚くらいをいつか取り返しに行こうと思ってたのに。— Z李 🇺🇦 NO WAR 🕊 (@ShinjukuSokai) October 31, 2023
パチンコ業界の衰退とガイアの破綻は分けた方がええかな。ガイアなんて20年前からパチンカーの間で評判が悪く、店舗もガラ空きが目立ってたのに今までよく持ったな、っていうイメージ。
— うまうま (@takashima_0115) October 31, 2023
パチンコホールとしては過去最大の負債額となる倒産劇ということで、広く注目を集めている今回の出来事なのだが、パチンコ嫌いな人々からは当然ながら、パチンコ好きの間からも大いに拍手喝采といった、思わぬ展開となっているのが実際のところのようだ。
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