fbpx

こんな株は買ってはいけない。誰でも「ダメ企業」と見抜ける業績・財務・株価・事業内容の特徴とは=栫井駿介

<自己資本比率>

自己資本比率を気にされる方も多いかと思いますが、冒頭でも述べた通り二の次の話かと思います。

基本的には利益が出てキャッシュ・フローが黒字の会社は自己資本が積み上がっていきます。
確かに、自己資本比率が1桁%の企業は投資対象にならないかもしれませんが、そういう企業はそもそも赤字を繰り返しているということになるので、業績を見た時点で除外されるケースが非常に多いわけです。

逆に自己資本比率は高ければ高いほど良いというわけでもなく、普通に利益を出している企業だったら30%くらいにはなるでしょう。

アメリカなどでは特殊で、自己資本はほぼ株主に還元してしまって残らない、あるいは債務超過という企業もありますが、そういう企業は一方で利益やキャッシュ・フローがしっかり出ているから問題ない企業だったりします。

基本的に、利益がしっかり出ている企業であれば自己資本比率を見る必要はあまり無いということになります。

<右肩上がりの「期間」はどれくらい?>

簡単に言うと長ければ長いほど良いということになります。
これまでの実績(トラックレコード)が多ければ多いほど信頼性や確実性が増します。

できれば10年以上の期間を見ていただければと思います。

ダメな企業の「株価」

株価を見る時に、PERが高いと割高、低いと割安と判断することが多いと思いますが、普通の企業、普通の状態であれば、その企業の良し悪しに則った株価が付いているものです。

例えばユニクロのファーストリテイリングはPER40倍くらいありますが、過去の業績を見ると十分に業績を積み上げてきているので、それだけ信頼と将来性を見込まれてPER40倍が付いているのです。
よって、たとえPER40倍であっても決して割高とは言えません。

逆に、業績がだだ下がりしている企業は、いくらPERが10倍でも利益が下がるということですから将来的なPERは上がることになるのでむしろ割高と言うこともできると思います。

<PERが異常に高い>

良い企業に高いPERが付くということになりますが、時々PERが100倍という数字になることがあります。
直近だとエムスリーがそうでした。

E382A8E383A0E382B9E383AAE383BC.png

出典:マネックス証券

株価は大きく上がってその後大きく下がっていて、上がった時のPERはグラフに入りきらないほどです。
グラフが途切れる直前の予想PERは112倍と、圧倒的に割高でした。
そこから落ちることは推して知るべしという状況でした。

 

もちろん、PERがすごく高くても、それに見合う成長はしないというわけではありませんが、その可能性はかなり下がります。
これも確率の話で、PER100倍の銘柄がその期待を超えて成長を続けるという可能性は相当下がるということです。
わざわざそのような銘柄に手を出すことはありません。

<株価が思惑だけで上がる>

エムスリーに関しては、本当に事業に対する期待で上がっていた部分もあると思いますが、一方で株価が思惑だけで上がるパターンもあります。
SNS等でよく見かけますが、「この企業が上がるぞ」ということで瞬間的に一気に上がるものがあったりします。
これのほとんどが、誰かが意図的に上げているケースで、いわゆる「仕手株」というところです。
そうやって上がっている企業に“捕まってしまう”初心者は多く、注意が必要です。

株価が大きく動いているという時点で「危険」だと思っておいた方が良いと思います。

<株価そのものが2桁(何十円)>

ダメな企業は株価がどんどん下がります。

普通は4桁(何千円)で上場するので、2桁というと100分の1であり、なかなかそんなことにはならないのですが実際にそれが起きている、ただただダメな企業なので、その時点で基本的に却下して良いと思います。

 

最近、NTTが株式分割で180円くらいになったという例外はありますが、大きな株式分割などをしていない企業でそんな株価が付いていたら、ダメな企業だという見方をして良いでしょう。

Next: 事業内容がそもそもダメ?長期投資家が見るべきポイント

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー