そもそもリニア中央新幹線は必要なのか?
たしかに、東京から名古屋までの所要時間は約40分で、東海道新幹線より約50分短縮されますが、乗車までのアクセスや時間を考えると、結局は変わらないのではないでしょうか。
北品川駅までのアクセス、地下深くまで降りていく時間、逆に地上に戻る時間を考えたらどうでしょう。地中深くをノンストップで走ることを考えるとテロ対策のセキュリティにかかる時間も必要でしょう。
アルプスの地下で止まった場合の避難はどうするのか。まさか山登りするわけではないでしょう。地表は雪山かもしれませんよ。リニア中央新幹線に必要性を、JR東海はホームページで以下のように説明しています。
現在、日本の三大都市圏を結ぶ大動脈輸送を担う東海道新幹線は、開業から半世紀以上が経過し、将来の経年劣化や南海トラフ巨大地震などの大規模災害に対する抜本的な備えを考えなければなりません。このため、東海道新幹線とともにその役割を担う中央新幹線について、当社が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。
リニア中央新幹線の正式名称は「中央新幹線」になっています。確かにこう説得されれば納得できなくはないですが、南海トラフ地震の発生確率「70~80%」の根拠は「江戸時代から眠る古文書」によるものだという話もありますよね。
JR東海の葛西敬之前会長は、リニア中央新幹線は「経済安全保障案件だ」と強調していました。つまり、中国よりも早く完成させ、稼働させることで、海外への輸出に有利にしておくことが大事だというのです。
でも、2027年開業延期は決定的です。
しかし、中国で2023年4月初旬、超電導リニアモーターカーの浮上運行に初めて成功したというニュースが報じられました。この報道を受けて「リニアの本格営業運転開始は中国が先かも」という声も一部から聞かれるようになりました。
※参考:日本超える?中国「時速600キロ」リニア開発の実情 技術研究は進むが路線計画には進展見られず – 東洋経済オンライン(2023年04月12日配信)
もう大変ですよ。ちなみに、JR東海の葛西敬之会長と言えば、「安倍晋三を総理にした最後のフィクサー」と呼ばれている人物です。
※参考:安倍元首相を総理にした男、フィクサー・葛西敬之のただならぬコワさ 瀬島龍三から葛西敬之、安倍・菅政権へと受け継がれたもの – JBpress(2023年1月16日配信)
そして、こんな記事もあります。
※参考:財投3兆円投入、リニアは第3の森加計問題 – 日経ビジネス電子版(2018年8月30日配信)
いずれにしても、リニア中央新幹線の開業は「2027年以降」になるそうです。それは決して静岡県だけの責任ではないということです。
そして、ここでご紹介したことを含めて、リニアモーターカーに関する報道は、地上波を含め、あまり取り扱われていないようです…。
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