1. 破産申請件数の急増
まず、「米裁判所管理局」が発表した統計によると、2024年6月末までの1年間の破産申請件数は486,613件であった。
2024年6月30日に終了する1年間で、企業破産申請件数は15,724件から22,060件へと40.3%増加した。企業以外の破産申請件数は、前年の40万3,000件から15.3%増の46万4,553件となった。いくつかの地域の連銀景況調査は、さらに縮小の領域に深く落ち込んでいる。フィラデルフィア、ダラス、リッチモンドの企業景況調査はいずれも縮小に転じている。
2. アメリカン・ドリームの死
また、アメリカン人の将来に対する見通しもかなり悲観的になっていることが明らかになった。「ウォール・ストリート・ジャーナル紙」が9月4日に発表した世論調査によると、努力して働けば誰でも中間層になれ、一戸建てと2台以上の車、そしてモーターボートなどを所有できるというアメリカン・ドリームが、まだ生きていると信じているのは、アメリカの成人の約3分の1に過ぎないことが分かった。
「公共宗教研究所」が12年前に2,501人を対象に実施した調査では、回答者の半数以上がアメリカン・ドリームは「まだ真実である」と考えていたが、「ウォール・ストリート・ジャーナル紙」が最近実施した成人1,502人を対象にした世論調査によると、現在では3分の1しかそう感じていない。
また、この調査では、人々の経済的目標と、実際に達成可能だと考えていることとの間に、ますます大きなギャップが生じていることもわかった。この傾向は、性別や党派を超えて一貫しているが、特に若い世代に共通している。
3. 家計負債総額の急増
「ニューヨーク連邦準備銀行」が今月発表した家計の信用と負債に関する四半期報告書によると、2021年第1四半期から2024年第2四半期の間に、クレジットカードの負債が48.1%急増した一方で、住宅ローンや自動車ローンを含む家計負債は21.6%増加した。
ドルベースで見ると、クレジットカード債務は2021年初頭の7,700億ドルから直近四半期には1兆1,400億ドルに増加し、家計債務は同期間に14兆6,400億ドルから17兆8,000億ドルに増加した。
ここ数年の金融市場における前代未聞の介入のおかげで、国民の大半が苦しむなか、裕福な生活を送ることができている人々がいる。しかし、株価が史上最高値を更新し続ける一方で、国民の多くは恐怖のどん底にいるように見える。
4. 悲惨な雇用統計の実態
次に注目されているのは、実際の雇用統計の実態だ。公式には、農業分野以外の就業者の伸びは前の月と比べて14万2,000人で、市場予想の16万5,000人程度を下回ったと発表され、さほど極端に悪い印象を与えてはいないが、その内容を見ると、状況はかなり悪いことが分かる。
雇用者数は16万8,000人増加したが、その内訳をよく見ると悲惨なものであった。昨年6月以来、アメリカは200万人強のパートタイム雇用を増やし、150万人以上のフルタイム雇用を失ったのだ。
低賃金のパートタイムの仕事なら、今でも簡単に見つけることができる。しかし、高給の仕事は急速に失われている。ホワイトカラーの職を探す会社の社長は、現在の市場は「悪い状態」だと言う。エコノミストたちは労働市場が「冷え込んでいる」という意見でほぼ一致しているが、あるリクルート業界のベテランは、それはかなり控えめな表現だと言う。
実際に起こっていることは、賃金の高いフルタイムの仕事が失われ、低賃金のパートタイムへの移行が進んでいるという実態だ。
今、仕事を探している人はたくさんいる。多くのアメリカ人にとって、低賃金のパートタイムの仕事では十分に生活できない。生活費の高騰のおかげで、アメリカの子どものいる世帯のうち「食糧難」に陥っている世帯の割合は、非常に憂慮すべきレベルまで上昇している。「米農務省」は、この問題に関する最新の報告書を発表したばかりだ。それによると、昨年、子どもがいる世帯のほぼ18%が食料不安に陥り、2022年の17.3%、2021年の12.5%から上昇した。







