石破氏の自民党総裁就任がもたらした市場の混乱は、円高・株安の形で現れました。この結果の背景には、現代の高度な取引技術(HFT)による市場操作があります。市場関係者や投資家たちが注目するこの動きは、今後の選挙結果や米国の経済状況にどのような影響を与えるのでしょうか?(『 角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』)
プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。
「石破新総理」誕生ショック?
私たち投資家にとって興味のあることは、石破さん自民党総裁就任で円高・株安になったことでしょう。
この意味は週末のメルマガでも解説させていただいたように、いま流行の「HFT(高頻度取引)」による先取りの統計結果の結末です。
石破さんが政権に就けば円高・株安なんて日本人でもわからないし、政府の中身の人間もわからないし、肝心かなめの石破さんご本人もおわかりにならないことでしょう。
それをマーケットが決めつけることができるのは、要は、高市さんがアベノミクスを想起させるのに対して、石破さんになれば株安の円高になるという傾向がそれ以前にマーケットにあったのでしょう。
おそらく総裁選の決選投票前に、何度か石破さんリードの報道が流れましたが、その因果関係など関係なく、円高や株安になっていたことの帰結。本番でそれをやりやがっている連中がいる…というのが私の解釈です。
どう考えてもおかしい話でしょ。誰も石破さんが総裁になれば円高・株安になるなんて観測も存在しませんし、わからないことに多くのポジションを傾けることなんて無理です。
おそらくHFT会社による操作なんだろうね…と思います。
米国の状況
週末にはコンファレンスボード(CB)による消費者信頼感指数が発表され、それが低下したとのことです。
そもそもこのCBによる発表には、あまり親和性というよりも一般的なことがありません。これはCBがデータの転用にはお金を徴収するので、誰もインターネットに張り付けたり添付したりしませんので、どうしても重要視をされにくい指標です。
では、ミシガンとCBではどちらが重要性があるか?といえば、CBの方があるとは思いますが、上記のようにデータ転載などに制限が加えられていますので、最近では一般的なものがミシガンサーベイやPMI社の総合コンポジット指数などに移行している側面があり、なんとも言えません。
言えることは、最近、消費者信頼感指数が低下したのは今年の6月以降で、ここで私が株価が高いことをおかしいと騒いだ結果、7月から株価は急落を始めたのです。そして8月には、日本人のNISA買いすぎと、FEDの利下げ見送りによって大急落をした……という形になります。
では、今回もCBの消費者信頼感指数低下によって、7月からスタートした株価の急落につながるのか?といえば、なんとも言えません、データが少なすぎますし、CBのデータはお金を取られますので、分析をしたくない…というのが本音(笑)です。
ただ、これだけドル安金利安になって、消費者の景況が悪くなったという統計はかなりおかしい、のではないか?ということで、ほとんど信用していないというのが私の心象です。
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