投資タイミングとしては今かも
栫井:技術の話は難しくて、元村さんの話を聞いても最終的に優位性があるのか判断しづらいところがあります。その分野の研究者でもない限り確実性が分からないので、投資家として考えた時にポートフォリオをこれだけでとはならない銘柄だと思います。今PERは30倍くらいですが、一時は100倍くらいありましたよね?
元村:はい、その時からするとだいぶ落ち着いてきた感じはあります。株価の推移はこのようになっています。
栫井:株価が2万ちょっとでPER30倍ということなので、ある意味ではPER100倍あった時もバブル的に上がっていたというわけではなさそうですね。
元村:そうですね。
栫井:先々の成長まで織り込んでいたと考えられるので、株式市場の賢い部分も見て取れます。それにしても乱高下が大きいですね。
元村:特に今年は4万5,000円くらいまでいった後に2万円くらいまで落ちたりしましたね。
栫井:しかし今回の話を聞くと目先の需要や強みは十分あるということなので、ずっと持つかどうかは分からないですが株価が4万円を超えていた時と比べると投資するには俄然良いということですよね。ファンダメンタルズがある程度見えていて、その中でPER30倍、受注も来ていてそれがやがて売上になり利益になるわけですね。
元村:高価格帯のものが主に売れていくので、おそらく利益の成長スピードは売上よりも上回るのではないかという印象です。
栫井:乱高下はあり得ることとして、投資すると考えたら今のタイミングは面白そうですね。
レーザーテックの今後は?
栫井:今後レーザーテックはどのようになっていくでしょうか。
元村:基本的に市場の見通しとしては明るいと思っています。なぜなら、フォトマスクの需要自体が増えるからです。
その要因としては、半導体自体の需要が増えていくというものと、マルチパターニングですね。小さい回路を形成するのにフォトマスクが使われますが、1つのフォトマスクでは回路が描ききれないくらい複雑化していて、フォトマスクが2枚、3枚必要となる機会が増えてきます。この掛け算でフォトマスクの需要量が増えていって、それに伴ってマスクの欠陥検査装置の需要も増えていくだろうということです。
栫井:マスクの需要が増えるということは当然ラインも増えるということで、そのラインごとに検査装置も置かれることになってもおかしくないですね。
元村:そうですね。先端品になるほど検査に時間がかかるのでその分台数が必要になるんですね。レーザーテックは特に最先端の部分の装置に強みがあるので、台数が増える要素もたくさんあるし、それに伴って高価で利益率の高い商品が売れるという見通しもあると思います。
企業に投資する時はやはりその企業の中身、事業内容をしっかり押さえて投資するとより地に足のついた投資ができると思いますので、ぜひ実践してみてください。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2024年10月23日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。