2024年11月11日に発表された、株式会社四電工2025年3月期第2四半期(中間期)決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
「四電工 統合報告書2024」はこちらからご覧いただけます。
アジェンダ
関谷幸男氏:みなさま、こんにちは。株式会社四電工社長の関谷です。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。本日は、2024年度中間期決算についてご説明します。
資料の構成は、2024年度中間期実績、2024年度業績予想修正、配当予想修正、トピックスとなっています。
経営成績(連結)
2024年度中間期実績についてご説明します。中間期までの事業環境は、設備投資や公共投資に持ち直しの動きが続くなど、受注環境は比較的良好でした。
一方で、資機材の価格上昇や人手不足などにより、受注判断や工事原価、工事進捗への影響に留意が必要な状況にありました。このような中、受注高は前年同期をやや下回りましたが、高い水準を確保できました。
売上高・利益については、資機材の安定調達や徹底した原価管理などにより、増収増益となりました。受注高は521億円で前年同期比20億円の減少、売上高は496億円で前年同期比85億円の増収、営業利益は45億円で前年同期比15億円の増益、経常利益は47億円で前年同期比15億円の増益、親会社株主に帰属する中間純利益は27億円で前年同期比6億円の増益となりました。
連結業績の開示を始めた2000年度以降で、売上高・各利益は過去最高、受注高は昨年に次ぐ過去2番目に高い水準となっています。なお、今回の業績を受け、業績予想を修正しました。詳細については、後ほどご説明します。
売上高増減要因(連結)
売上高の前年同期に対する増減内訳をご説明します。スライドのグラフのブルーの部分が増加要因、グレーの部分が減少要因を示しています。送電・土木工事などで減収となりましたが、配電工事、電気・計装工事、空調・管工事、情報通信工事のいずれも増収となり、85億円の増収となりました。
受注高の推移(単体)
四電工単体の業績についてご説明します。受注高は、前年同期比で5億円減少し、462億円となりました。前年同期に複数の大型物件を受注した反動減などによるものであり、引き続き高い水準にあると認識しています。
売上高の推移(単体)
売上高は、資機材の安定調達やきめ細かな工程管理などにより、大型工事の進捗が堅調だったことが寄与し、前年同期比で102億円増加し、437億円となりました。工事種類別では、ほぼすべての工事が増加しました。地域別においても、すべての地域で増加しました。
繰越工事高の推移(単体)
第3四半期以降の収益に寄与する繰越工事高についてご説明します。繰越工事高は、前年同期比で44億円減少し、566億円となりました。前年同期に複数の大型物件を受注した反動減や、今期の工事進捗が堅調だったことなどから減少しましたが、高い水準を維持しています。
財政状態(連結)
連結の財政状態です。資産は、前年度末に比べ113億円減の918億円となりました。本年度より、工事代金等の支払いについては手形・ファクタリングによる延払いを廃止し、すべて現金振込に変更したことなどによるものです。
8月までの間は、変更前に振り出した手形等の支払いと変更に伴う現金振込の増加分が同時期に発生し、現預金等が大きく減少しました。負債が前年度末比124億円減となったのも同様の事情によるものです。
純資産は、中間純利益の計上などにより、前年度末比11億円増の629億円となりました。これにより、自己資本比率は前年度末より8.6ポイント増加し、68.4パーセントとなりました。
施工物件情報
スライドは、2024年度中間期の主な完成物件です。
業績予想:連結
2024年度業績予想修正についてご説明します。中間期までの堅調な工事進捗、ならびに手持ち工事の現況等を勘案し、連結・単体ともに売上・各利益を上方修正しました。連結では、売上高1,050億円、営業利益70億円、経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益46億円を見込んでいます。
業績予想:単体
通期の単体業績予想についてご説明します。単体では、売上高920億円、営業利益56億円、経常利益61億円、当期純利益37億円を見込んでいます。
配当予想修正(増配)
配当予想修正についてご説明します。今回の当期業績予想の上方修正を踏まえて、スライドの表のとおり、中間配当金を直近配当予想の75円から15円増額の90円としました。合わせて、10月1日付の株式分割後の期末配当金の予想についても、25円から30円と増配修正しました。
これにより、分割前1株当たり年間配当金に換算すると、前期の140円から180円となり、40円の増配となります。
配当金・配当性向の推移(分割後換算)
配当金および配当性向の推移です。2024年度の連結配当性向は、業績予想ベースで61.6パーセントとなる見込みです。
「株式会社四電工 統合報告書2024」を発行
2024年度中間期のトピックスをご紹介します。この度、「統合報告書2024」を発行しました。新たに機会とリスクや創出価値などについて掲載するとともに、Webで閲覧しやすいようフォーマットを工夫しました。経営戦略や財務情報、非財務情報などを統合的に取りまとめていますので、当社をご理解いただく上での一助となれば幸いです。
今後とも、開示情報の充実を通じて、ステークホルダーのみなさまとの対話促進を図ることで、さらなる企業価値の向上に努めていきます。
ここからは、IR取材などでよくいただくご質問とその回答をご紹介させていただきます。
質疑応答①
Q:今回の中間期決算のハイライトを教えてください。
A:連結業績は、高水準の受注高を確保するとともに、堅調な工事進捗や資機材の安定調達、徹底した原価管理などにより、2年連続の増収・増益となりました。なお、連結業績の開示を始めた2000年度以降でみて、受注高は昨年に次ぐ過去2番目に高い水準であり、売上高、各利益は過去最高となりました。また、今回の業績を受け、業績予想の上方修正を行いました。
質疑応答②
Q:「堅調な工事進捗」とのことですが、当期の大型工事にはどのようなものがありましたか?
A:当期の売上に係る工事件名のうち大型のものとして、四国内では公共施設関連、四国外では再開発案件や物流施設などが挙げられます。
質疑応答③
Q:連結受注高については、やや減少しているようですが、いかがでしょうか?
A:前年同期は、大型工事受注が重なったこともあり、過去25年間で最高の受注高となりました。今期は、この反動減はあるものの、受注高は同じく過去2番目となっており、依然として高水準を維持していると判断しています。
質疑応答④
Q:当期受注の大型工事にはどのようなものがありますか?
A:今期では、ホテルやデータセンターの新築工事や再開発案件、送電線のケーブル張替工事などの大型工事を受注しています。
質疑応答⑤
Q:財政状態の説明スライドで「本年度より工事代金等の支払について、手形・ファクタリングによる延払いを廃止し、すべて現金振込に変更した」とありましたが、どのような効果を見込んでのことでしょうか?
A:手形やファクタリングを廃止して現金化することは、協力企業における円滑な資金繰りや、経営のさらなる安定化に寄与するものであり、ひいては雇用の維持、創出につながるなど、サプライチェーンのサステナビリティ向上に資するものと考えています。
ご説明は以上となります。誠にありがとうございました。今後とも四電工グループをご愛顧くださいますよう、よろしくお願いします。