fbpx

異物混入が相次ぎ全店閉鎖のすき家。ネット上では乗っ取り狙うDS勢力の仕業との陰謀論が盛んに流布も株価への影響は軽微

今年1月に味噌汁へのネズミの混入事案があった大手牛丼チェーンの「すき家」が、31日午前から一部を除くすべての店舗の営業を取りやめる。

報道によれば営業取りやめは、今月31日午前9時から4月4日の午前9時まで、ショッピングセンター内などの一部を除く全国におよそ1,900あるすべてが対象。閉店中は、従業員が店内を清掃したうえで、外部から害虫や害獣が侵入しないよう、衛生面の対策を行うとともに、異物が混入した原因の特定を進めるという。

すき家がすべての店舗の営業を一斉に取りやめるのは、初めてのことだといい、同社は「お客様および関係者の皆様に、多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げます」とコメントしているという。

ネズミ混入を当初公表しなかったのが裏目に?

ネズミの混入があったのは今年の1月で、そこから公表まで約2か月ほどの空白期間があったすき家。

同社によれば「当該店舗の建物構造と周辺環境が重なった特殊な事例であることを勘案し、ホームページでの公表を見合わせた」のが理由とのことだが、結局のところネット上で“ネズミ入り味噌汁”の画像が出回り、大いに騒がれた後にその事実を認めるという、利用者からの印象としてはかなり悪い流れに。

また、ネズミ混入事案を認めた直後のすき家は、その原因を「従業員が目視確認をせずに提供した」からとし、その対策として「商品の目視確認を徹底」を指示したと報じられたことに関しても、一部の利用者から「そういう話じゃない」「経営幹部の衛生観念が根本的におかしい」との批判が噴出したのだ。

このように利用者からの疑念の視線が集まるなかで、なんとか話の幕引きを図りたかったすき家側だが、その騒ぎのなかで今月28日には都内の店舗にて、客が持ち帰った商品にゴキブリの一部が混入していたという新たな事案が発覚。このように相次ぐ異物混入事案の発生に、すき家側としてももはや穏便に済ますことは叶わず、全店閉鎖を余儀なくされたといったといった格好だ。

株価の下落が大いに予想されるも…

3月22日にネズミ混入事案を発表した後の24日にも、一時7.1%安となったすき家を運営するゼンショーホールディングスの株価

それにくわえ今回はゴキブリ混入と営業の一時取りやめという悪材料も重なり、週明けの同社株はさらなる下落は必至……と、広く世間ではみられていたわけだが、実際に31日は取引開始から前日の終値である8379円から一気に下げ、早々に8000円台を割り込む展開となった。

ただ同社株といえば今年2月、2024年4~12月期連結決算の純利益が市場予測より下回ったことが原因で売りが出て、一時的に前日比1000円安の下落となったことがあり、その際と比べれば、下落幅はさほど大きくはない。

そもそもゼンショーといえば、すき家以外にも「はま寿司」 にくわえ「なか卯」「華屋与兵衛」「ジョリーパスタ」など様々な飲食チェーンを抱えており、グループ全体の売上高9,657億78百万円(2024年3月末)のうち、すき家の売上高での割合は27.5%。それだけにグループ全体ということで考えると、今回の件が与える影響は軽微だと、少なくとも市場からは見られているようである。

今回のネズミ混入事案に関しては、すき家が元々国産米しか用いないことを標榜し、輸入米の使用を拒み続けていることから、海外勢力からターゲットにされており、異物混入も株価の下落からの企業買収・乗っ取りを狙うがための人為的なものでは……いうなれば小林製薬と同様にハメられたのではないかという、いわゆる陰謀論がネット上で盛んに飛び交っている状況。ただ、現状の株価の推移をみる限り、その心配は杞憂に終わりそうな情勢だ。

Next: 「乗っ取りとか言ってる奴ら本当に…」

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー