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イギリス国民を「EU離脱」に追い込んだ、欧州連合とECBの自業自得=矢口新

欧州統合なしで、統一通貨ユーロは存続できるのか?

ここまで「EU離脱を望む英国人が抱く3つの懸念」を読んでいただいて、お気づきだろうか?各種グラフをご覧いただいて、お気づきだろうか?いずれも、英国の問題というよりEUが抱える大きな問題だ。

ブレグジットはEUが抱える矛盾を浮き彫りにしたに過ぎない。そう捉えられないで、英国人の気質などに答えを求める人には、ことの本質は何も見えてこない。英国の離脱、残留を問わず、他のEU諸国も同様の問題に直面しているのだ。

このことは、ユーロ存続が抱える問題でもある。

6月26日には、スペインが総選挙を控えている。イタリアでは憲法改正をめぐる国民投票が10月に行われる。先のローマ市長選挙では、EU懐疑派である「五つ星運動」のビルジニア・ラッジ氏が初の女性ローマ市長に当選した。またフランスやギリシャなどは、英国以上にEU懐疑派だ。欧州が夢物語を追い続ける限り、今後も不安定な状態は避けられない。

また、欧州の銀行株は2007年以来、8割値下がりしており、ECBのマイナス金利政策下では、収益回復の目処さえ立たっていない。

欧州銀行株指数

欧州銀行株指数

一方で、離脱後の実務的な展開は読み難い。懸念の多くは漠然としたもので、大きなダメージとするものから、ほとんど変わらないとするものまである。問題は、そういったことの不透明感だ。主要国の国債や、円、スイスなどがさらに買われる可能性がある。

また、リスク回避が進むと、対GDP比での政府債務の大きな国、コロンビア、南アフリカ、ペルー、トルコなどが売られるという見方も出ている。
Why a Brexit could hurt emerging markets-and beyond – CNBC

EU残留を支持し、英国独自の政治、政策を望む国民に背を向けたことで、キャメロン英首相への信任も揺らぐかもしれない。自国民の叡知や自尊心を見下し、全世界と共に「脅し」をかけ続けたからだ。

今後の展開として、ほぼ間違いないのは「不透明感と混乱」だと言えるだろう。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年6月24日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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