fbpx

英国ついにEU離脱決定。これから何が起こるか?必読の記事5選

BBCなどが報じたところによると、日本時間24日午後、EU離脱の是非を問う英国民投票は離脱派の勝利が確実な情勢となりました。イギリスがEUから離脱することで、欧州情勢や世界経済、金融市場では今後どのような影響が考えられるでしょうか。必読の記事5つをご紹介します。

【NEW!】イギリス国民を「EU離脱」に追い込んだ、欧州連合とECBの自業自得=矢口新

英国民投票でEU離脱派が勝利。世界経済や金融市場への影響は

(1)離脱ショックはEU加盟各国に波及する

英国民投票という終わりの始まり~離脱でも残留でも元には戻らないEU=真殿達 より

イギリス以外の国でも脱退を気軽に議論するようになるであろうし、国民投票に訴えようとする傾向は一段と強まる。EUの官僚機構には国民投票で立ち向かうのが一番なのだ、との学習効果は絶大だ。EUは国民国家の意向を最大限満たしながら合理的解決を図る能力があるのかどうか、常に問われ続けるシステムに変わる。

少なくとも、どの国も従来以上にEU内で非妥協的となり、財政規律など基本政策を巡る加盟国間の対立は先鋭化する。EUという仕組みの正当性やあり方が一段と厳しく問われ、一歩間違えると崩壊に至る可能性を抱えたシステムとなる。

→この記事を詳しく読む

(2)EU離脱でも「時給400円のワープア」は解消できない?

日本の未来を映す英国民投票~なぜイギリスの実質賃金は下がり続けたか=三橋貴明 より

イギリスといえば、英国立経済社会研究所によると、実質賃金が2008年から0213年にかけ、8%下がっています。失業率は5%台と低いですが、最低賃金(時給400円程度)で働くワーキングプアが数十万人(実習生、と呼ばれているそうですが)いるなど、雇用環境は良くありません。

日本も人のこと言えませんが、イギリスでこれほど長期間、実質賃金が下がり続けるのは、1964年以降で初めてとのことです。

実質賃金の下落=生産性の低下です。イギリス企業もまた、生産性向上のための投資ではなく、「安い労働者を雇う」方向に走っているわけです。すなわち、外国移民です。

キャメロン政権は外国移民を年間10万人に抑える、との公約を謳っていたのですが、昨年は30万人がイギリスに入りました。結果的に、EU離脱派は「雇用を奪われている」「賃金切り下げ競争が生じている」と、移民政策に反対しているわけでございます。

→この記事を詳しく読む

(3)再び二分される欧州、動き出すロシア・プーチン

英国EU離脱「本当のリスク」~欧州に手を伸ばすプーチンと米ネオコンの狙い=斎藤満 より

最大の問題は、EUがノーベル平和賞を返上しなければならなくなる懸念です。

EUがノーベル賞をもらったのは、欧州の戦乱の歴史を、欧州の政治統合によって、二度と戦争に導かないような政治枠組みを作ったため、という趣旨でした。

イギリス、ドイツ、フランスが一つの組織になることで、いがみ合いを避けることができ、実際戦後70年の平和を実現しました。

そればかりか、欧州が1つになったことで、ロシアの欧州進出も難しくなり、むしろロシアの「緩衝地帯」と見られた周辺国が、次々と西欧になびいてしまい、ロシアが政治的に重要な「緩衝地帯」を失い、孤立化に向かったほどで、「1つの大きな欧州」は着実に成果を上げてきました。

ところが、ここで英国がEUから離脱すると、本来の平和を志向した「1つの欧州」の構図が崩れてしまいます。再びアングロサクソン(英国)とゲルマン帝国(ドイツ)の対立が生じてもおかしくない図式となり、この両国にどの国が付くかで、欧州がまた二分されるリスクがあります。

→この記事を詳しく読む

(4)「自由な行き来」というメリットはもうない

EU離脱まったなし。米シンクタンク調査にみる英国民投票の「理想と現実」=矢口新 より

例えばG7、あるいは国連やIMFが政府となり、日本の政治をつかさどるようになったとしよう。その際、これで各国の利害はなくなると考えるのが「理想」であり、逆に誰が実際にその政府を動かすのだろうかと考えるのが「現実」からの視点だ。EUはまさに、その理想と現実の狭間にいる。

このところ急激にEU支持が減っているのは、移民、難民問題の影響だ。欧州各国は国境検査を再開したり、分離壁を設けたりし始め、域内を国境検査なしで通過することを認めたシェンゲン協定は形骸化している。つまり、EUに留まっていても、自由な行き来というメリットは、少なくとも一部の人にはもうない。

→この記事を詳しく読む

(5)EU内で「一人勝ち」ドイツへの不満が高まる

英国離脱ならユーロは「最安値」に向かう~困るのはむしろEU=矢口新 より

欧州諸国が群れることのメリットは、発足時の理念に最もよく表れている。米ソ2大国に挟まれた欧州が、2大国に対して発言力を持つために、サイズを大きくする必要があったのだ。米国は合衆国という名の州政府の集合体、ソ連は各ソビエト共和国の連邦国で、通貨は1つ、合衆国内の州間や、連邦内の共和国間の行き来は、「基本的には」自由だった。これは、欧州ではユーロやシェンゲン協定で実現されている。

一方、ユーロ導入後のEU主要国で、失業率を劇的に低下させ、貿易黒字幅を拡大したのはドイツだけで、フランス、イタリア、スペインなどは高失業率、ユーロ不参加の英国も貿易赤字に甘んじている。英国の場合は、EUに参加しながら、ユーロ政府とは距離があるので、発言力も限定的だ。

また、サブプライムショックに至るまでのアイルランドは、欧州のどの国よりも経済的な優等生だった。ところが、サブプライムショック後1年以上も利上げされ、その間にどん底にまで転落、お荷物扱いされることとなった。同時期の英国が利下げで何とか乗り切ったのと好対照だった。

つまり、国家が群れると、大事なことはすべてボス大国の言いなりにならねばならないのだ。イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャなどの苦悩も、基本的には同根だ。

→この記事を詳しく読む

【NEW!】離脱決定後の最新分析

イギリス国民を「EU離脱」に追い込んだ、欧州連合とECBの自業自得=矢口新 より

EU離脱を望む英国人が抱く懸念を、主に英文で書かれた情報をもとに、私が勝手に推測すると、
・EU政府が官僚的で、必ずしも英国の国益に沿った政策を行わない
・欧州の統合はもはや現実的ではなくなった
・移民、難民問題
の順になる。

英国人にとっては、これらの懸念が、「景気減速、失業、給与下落、資産価値減少、格下げ」などといった、明日からの生活を脅かすような懸念をも上回ったことになる。順に解説しよう。

→この記事を詳しく読む

【関連】すんなり上がるわけがない。英国民投票で最初に試される東京市場=E氏

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー