運営費も大幅増額!不足分は国と大阪府・市の税金から…
運営費も1.4倍の1,160億円に増額し、大半を入場券収入で賄うとしています。
赤字になるかどうかの損益分岐点は1,800万枚といい、1,400万枚が目標だった前売り券の売り上げは11日時点で約934万枚にとどまる見通しのようです。
半年間の会期中、約2,820万人の来場を見込んでいます。
その収入の方ですが、チケット・グッズ等の売り上げ計画は1,160億円にとどまり、不足分は国や大阪府市の税金、経済界やパビリオン出展者の拠出金で賄われます。
3,000億円程度の税金が投入されることを踏まえると、その費用対効果については議論を継続的に深める必要があると、国内シンクタンクは指摘しています。
経済波及効果は約2.9兆円?
万博の経済波及効果は約2.9兆円と試算されています。
閉幕後の会場は原則更地に戻す必要がある万博の特殊性も、費用対効果の議論を難しくしています。
大阪・関西地域だけを見ると費用対効果は大きいかもしれませんが、その他の地域における経済的な恩恵は限定的であることが想像できます。
地域での事前の盛り上がりに欠けるところは否めません。
GDPや経済波及効果は財貨・サービスの生産量を市場価格で捉えたものであり、万博が掲げる社会的課題の解決やSDGsの達成により生み出される経済効果を測定することはできないという意見もあり、短期的・直接的な価値ばかりに注目すべきではないという見方もあります。
夢洲での開催は、地中の廃棄物から出る可燃性メタンガスの影響も指摘されています。
報道での扱いは小さいですが、さすがにこの問題は無視することはできないでしょう。
大阪万博で「儲かる」のは誰…?
経済的効果を言えば、その本質は「万博」にあるのではなく、その跡地にできる米カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルが出資する「大阪IR」(カジノを含む統合型リゾート)にあるのではないでしょうか。
ITmediaビジネスの記事に「『関西・大阪万博』終了後はどうなるか」という記事に、興味深いことが書かれています。
いきなり何もない大阪の埋立地に、巨大なIRを建設しようというのは、事業者側の負担も大きいし、リスクも大きいでしょう。
しかし、それが国家プロジェクト「万博」の跡地なら、国や自治体がかなりの金を出して、会場や交通インフラ整備をしてくれます。
しかも、わずか数カ月であっても国際イベントを開催すれば、単なる埋立地が「万博跡地」に格上げされることになります…。
海外のIR事業者からすれば、国や自治体からここまで手厚いサポートをされていれば進出しないわけにはいかないでしょう。
なるほど…。