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なぜ「終の棲家」に戸建てよりもマンションを選ぶ高齢者が増えているのか?=廣田信子

真剣に考えられてこなかった「所有することのリスク」

そもそも、持ち家政策で住宅を個人の責任分野とし、老後の住宅に対するコストを考えない年金や高齢者施策には大きな矛盾があると思わざるを得ません。30年前、高齢者は家を借りられないことが大きな問題になっていて、無理してローンを組んででも自宅を持っていないと老後に住むところがなくなる…と、不安を感じさせる風潮が強く、それがマンション購入を促すことにもなったのです。

そして漠然と、購入しておけば何かあったら売却できる資産を持つことになる…と誰もが思っていました。所有することのリスクについては、ほとんど考えられていなかったのです。日本では、年齢が高くなるほど、持ち家率が高まり、しかも、住んでいる住宅も広くなります。家族の数に関係なく…です。で、広い持ち家に縛られもて余している高齢者もいるのです。

松本恭治先生の分析では、スウェーデンでは、高齢になるほど、賃貸住宅に住む傾向があります。55~64歳では、所有が61.1%、賃貸が22.2%ですが、85歳以上では、所有25.1%、賃貸52.7%と逆転しています。家族構成やサポートの必要度合いによって、住み替えることができるしくみがあるのです。

持ち家があれば住むところに困らないはずが、簡単に住み替えもできず、その維持管理に生活を圧迫するほどの費用がかかる…。日本の高齢者が直面している住宅問題が、そのまま、マンションの維持管理の課題に直結していると改めて思います。根深い問題です。

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まんしょんオタクのマンションこぼれ話』(2017年3月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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