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標的は日本。英EU離脱で加速する中国共産党の「軍事的冒険主義」=黄文雄

中国に肩入れしていた「次期英首相候補」の消滅でAIIBにも黄信号

いずれにせよ次期首相が焦点となりますが、これまでポスト・キャメロンの最有力候補と目されていた財務大臣で残留派のジョージ・オズボーンの可能性はかなり小さくなったと見ていいでしょう。
(編注:オズボーン氏は6月28日、キャメロン首相辞任に伴う保守党党首選への不出馬を表明した)

しかもオズボーンは英中接近を裏で演出した立役者と言われています。習近平の訪英1カ月前の昨年9月末、オズボーンはキャメロン首相の名代として中国を訪れ、習近平に招待状を渡しました。しかも中国当局による弾圧が続いている新疆ウイグル自治区を訪れるなど、中国の人権問題を黙認・容認する態度だったのです。

このようなイギリス政府の対中接近の姿勢に対して、英誌エコノミストは「オズボーン主義」と呼びました。また、ダライ・ラマ法王は「金、金、金。道徳はどこにいったのでしょう?」と痛烈に皮肉っています。
習近平訪問に沸き立つ英国、人権を棚上げしチャイナマネー獲得に躍起―英国

イギリスがAIIBへの参加をいち早く決定した背景にも、このオズボーンの後押しがあったとされており、また昨年夏にキャメロン首相が東アジアを訪問した際、シンガポール政府は南シナ海や東シナ海での安全保障に関する発言を期待していたものの、中国に配慮してまったく何の発言もなかったことも、オズボーンによる制止があったと言われています。
親中への転換に大きく傾く英国

そこまで中国に肩入れしていた「次期首相候補」の目がなくなるということは、中国にとって非常に痛いはずです。

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