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日本発「ペロブスカイト太陽電池」関連株は買いか?成長性と5つの壁を長期投資のプロが徹底分析=元村浩之

<伊勢化学工業<4107>:ヨウ素を製造>

伊勢化学工業<4107> 週足(SBI証券提供)

伊勢化学工業<4107> 週足(SBI証券提供)

  • 事業内容:
  • ペロブスカイトの原料であるヨウ素を製造しており、世界シェア約15%を持つ大手です。

  • 業績への影響:
  • ヨウ素関連の事業の売上・営業利益は右肩上がりで伸びていますが、その要因は、ペロブスカイトの恩恵ではなく、販売数量が伸びていないにもかかわらず、ヨウ素の国際市況の高騰と円安によるものです。

  • 成長戦略:
  • 同社は中長期的成長を医療用途(レントゲン造影剤、医薬品など)が担っており、ペロブスカイト太陽電池への依存度は低いと考えられます。

まとめ:投資の検討における注意点

ペロブスカイト太陽電池は、日本の技術優位性と政策推進の背景から大きな期待が集まっていますが、技術的な課題(コスト、耐久性)や、中国との熾烈な国際競争といった現実的な壁を認識する必要があります。

現時点では、調査した関連銘柄のほとんどが、ペロブスカイト関連で目立った収益貢献を得ている状況にはありません。今後、政府の補助金や設備投資によって収益が伸びてくる可能性はありますが、まだ見通しが立てづらい段階です。

過去のシリコン系太陽光パネルの例を振り返ると、市場の盛り上がり(一人歩き)に対して、投資家は冷静に俯瞰して見る姿勢が重要です。関連銘柄に投資する際は、全社収益に占めるペロブスカイト関連の貢献度がどれくらいあるのかを注意深く分析する必要があります。


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image by: Audio und werbung / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年12月6日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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