【今週の概況】
■原油価格の大幅上昇を意識してドル買い強まる
今週の米ドル・円は強含み。週末前に159円台後半まで米ドル高円安が進行した。米国とイスラエルによるイラン攻撃が続いており、イラン軍は報復措置として石油タンカーなどの輸送船のホルムズ海峡通過を阻んでいることから、原油の供給不安が高まり、原油価格は週間ベースで大幅に上昇したことがドル上昇につながった。
原油価格の大幅な上昇はインフレ圧力を高めるため、米国の年内利下げ観測は後退し、米長期金利は上昇していることもドル買いを促した。また、中東紛争の長期化は世界経済の不確実性を高める一因となるため、日本銀行による早期追加利上げの可能性は大幅に低下。日米金利差の縮小観測は一段と後退したこともドル買い材料として意識されたようだ。
13日のニューヨーク外為市場でドル・円は159円01銭まで下落後、159円75銭まで買われた。この日発表された1月PCEコア価格指数は前回実績を上回ったが、10-12月期国内総生産(GDP)改定値の下方修正を受けてドル売りが優勢となった。しかし、ホルムズ海峡の早期再開は見込まれていないため、原油先物は続伸し、米長期金利は強含みとなったことからドル買い・円売りが優勢となった。米ドル・円は159円73銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:157円28銭-159円75銭。
【来週の見通し】
■ドル高一服か、日本の為替介入を警戒
来週のドル・円は上昇一服となる可能性がある。米国とイスラエルによるイラン攻撃は続いており、中東情勢の不透明感を背景に原油相場は高騰し、インフレ圧力の高まりを想定したドル買いが観測されている。3月17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での政策金利据え置きを市場は織り込み済み。連邦準備制度理事会(FRB)による利下げがあるとすれば9月以降との見方が増えているが、今回の会合で金融当局が金融緩和に慎重な姿勢であることが確認された場合はドル買い要因となりそうだ。一方、日本銀行は足元のインフレ指標の鈍化が目立っているため、金融政策決定会合では政策維持を決定しそうだ。賃金交渉も見極めたい方針とみられる。
ただ、日本の通貨当局は物価高につながる過度な円安を引き続き懸念しており、節目とされている1ドル=160円近辺で円安進行を抑えるための為替介入を行う可能性は残されてる。日銀植田総裁の会見で円安はインフレ見通しに影響を与えるとの見解が提示されることも予想され、リスク選好的な米ドル買い・円売りは160円手前で多少弱まる可能性がある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(17-18日開催予定)
3月17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利の据え置きが決定される公算。エネルギー価格の上昇で当面は政策維持が見込まれ、インフレ抑制的な姿勢ならドル買い要因に。
【日本銀行金融政策決定会合】(18-19日開催予定)
日銀は3月18-19日に金融政策決定会合を開き、政策金利の据え置きを決める見通し。日本のインフレ指標は足元でやや鈍化しているが、早期追加利上げについて慎重な姿勢が表明された場合は円売り材料となる。
予想レンジ:157円00銭-161円00銭
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