フェーズ4は具体的にいつなのか?
このように、あまり注目されていないかもしれないが、暗号通貨の国際決済への導入は確実に進んでいる。いまフェーズ3なので、ぁと数年でフェーズ4になり、暗号通貨の国際決済への導入は完了する。フェーズ4はいつなのだろうか?
国際決済における暗号通貨・トークン化インフラが「フェーズ4:完全な標準化(既存の金融網が完全にブロックチェーン基盤へ移行する段階)」に至る時期は、2027年から2030年にかけてというのが、現在の国際機関や規制当局のタイムラインから逆算した現実的な見通しである。
具体的には、単一の明確な「Xデー」があるわけではなく、3つの決定的なマイルストーンを経て段階的にフェーズ4へと移行していく。
マイルストーンその1. 2027年:米国の法制化完了と「制度化」の標準(最初の節目)
フェーズ4への移行の土台となるのが、暗号資産の法的地位の完全な確立である。
- CLARITY法案(デジタル資産市場明確化法案)の完全施行
- 何が起きるか
米国で議論が続くCLARITY法案は、2026年中の可決・暫定運用を経て、2027年に猶予期間(グレースピープル)が終了し完全施行されるスケジュールで動いている。
これにより、これまで銀行の参入を阻んでいた会計ルール(SAB 121など)の廃止や、どの資産が「商品(CFTC管轄)」でどれが「証券(SEC管轄)」かの線引きが完全に固定化される。結果として、2027年には大手金融機関が「実験」ではなく、通常の既存業務として暗号資産・ステーブルコインを組み込む体制(標準化)が整う。
<マイルストーンその2. 2028年:国際決済銀行(BIS)「プロジェクト・アゴーラ」の実用化>
既存の国際送金網(SWIFTなど)に代わる、あるいはそれを裏側から完全にトークン化するネットワークの完成時期である。
- 実価値テストから商用化への移行
- 何が起きるか
FRBや日本銀行、欧州中央銀行(ECB)など8つの中央銀行と40以上の民間銀行が参加する「Project Agora(プロジェクト・アゴーラ)」は、プロトタイプの検証を終え、実価値テスト(Real-value testing)の段階に入っている。
法的枠組み(決済の最終確定性やマネーロンダリング対策の自動化)の調整を含め、システムのインフラ構築には約2年の歳月が必要と試算されている。これが実運用インフラとして稼働を始めるのが2028年頃と見られており、この時点で中央銀行の準備預金と民間銀行の預金が「トークン」として世界中で24時間即時決済される仕組みがコモディティ化(一般化)する。
<マイルストーンその3. 2030年:デジタル人民元・BRICS経済圏の「脱ドル決済網」の完成>
西側諸国のインフラとは別に、新興国主導のブロックチェーン決済網が完全に独立して機能する時期である。
- mBridgeの成熟と多極化
- 何が起きるか
中国、UAE、タイなどが主導する多国間CBDCブリッジ「mBridge」や、BRICS主導の分散型決済メッセージングシステム(DCMS)は、貿易決済での利用実績を急速に積み上げている。
2030年までには、東南アジア、中東、アフリカ、南米を結ぶ大規模な貿易コリドーにおいて、「米ドルやSWIFTを1ミリも経由しないブロックチェーン決済」が全体の数割を占めるレベルに達すると予測されている。







