北朝鮮の駐英大使が6回目の核実験を示唆するなど、地政学的リスクは依然として高まっている。しかしその最中にもナスダックが最高値を更新。市場はどう見ているのだろうか。(『牛さん熊さんの本日の債券』久保田博幸)
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睨み合いを続ける米国と北朝鮮、マーケットが注目するポイントは
北朝鮮、6回目の核実験を示唆
北朝鮮の駐英大使は9日、英スカイニュースのインタビューで6回目の核実験を計画していると明らかにした(日経新聞電子版)。
原子力空母カール・ヴィンソンを中心とする空母打撃群は朝鮮半島周辺の海上に展開しているとみられ、北朝鮮に圧力をかけており、今回の北朝鮮の駐英大使のコメントはそのような圧力には屈しないとの姿勢を示したかったものとみられる。
北朝鮮の駐英大使からの核実験の計画示唆に対して、9日の米国株式市場はわずかながら反応を示し、ダウ平均の上値を抑えた。しかし、ナスダックは最高値を更新し、米債はリスク回避による買いは入らず、むしろ社債発行等が意識されて売られていた。
10日の東京株式市場は円安などを受けてむしろ買いが先行した。外為市場で円が売られ、株が買われるということは当然ながらリスク回避とは反対の動きであり、地理的にも近い日本の市場でも北朝鮮の駐英大使の発言はほとんど材料視されていないことが伺える。
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