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【展望】トランプ弾劾懸念は一時後退、予算教書第2弾に注目が集まろう=馬渕治好

来たる花~今週(5/22~5/26)の世界経済・市場の動きについて

<予算教書第2弾に注目集まろう、現時点では特に市場を動かさないと見込む>

(まとめ)
今週は、5/23(火)に、米国で「予算教書第2弾」が発表される予定です。予算教書第1弾は、減税やインフラ投資の詳細を欠いた、前代未聞のものであり、その後4月に発表された税制改革案も、中身がスカスカでした。今回の第2弾では、インフラ投資の具体的な額が盛り込まれるそうですが、少なくとも市場が大いに好感しそうにはないと見込みます。ただし一方で、過度の期待もないため、最終的には失望が大きく生じることもないでしょう。とは言っても、発表前に、様子見気分が広がることはありえます。

(詳細)
今週は、5/23(火)に、米国で「予算教書第2弾」が公表されます。米国市場を中心に、「一応」中身を見極めよう、という投資家が多いでしょう。

これまでのトランプ政権の財政に絡む政策の動きは、期待外ればかりでした。通常、予算教書は2月上旬までに公表されるものですが、予算教書第1弾は、遅れて3/16(火)に発表されました。ここでは、減税やインフラ投資については、きちんと数字を詰めることができず。具体的な額が含まれていませんでした。税収がどうなるのか、あるいは支出項目のうち、目玉政策のインフラ投資の額がどうなのか、といった、重要な項目を欠いている予算教書は前代未聞で、失望を招く内容でした。

続いて4/26(水)には、税制改革案が発表されました。この際の配布資料はA41枚に過ぎず、レーガン大統領によるいわゆる「レーガン減税」の際は、最初に公表された第1稿でも500ページ以上あった、という余りの違いが嘆かれました。加えて、たとえば個人の所得税については、現在の税率(7段階)を3段階の税率に整理する、という方針は公表されましたが、具体的にいったいいくらの所得からどの税率になるのかは明らかにされておらず、エコノミストの間では「経済に与える効果など、分析のしようもない」と落胆の声が広がりました。

今回の予算教書第2弾では、選挙時の公約として、「10年間で1兆ドル」としていたインフラ投資について、財政では10年間で2000億ドルだけ支出する、という方針だと報じられています(5/19(金)付ロイターなど)。あとの8000億ドルは、民間に投資してもらう、とのことです。

当初からインフラ投資計画については、民間にもお金を使ってもらう、と大統領は語っていましたので、財政分が2000億ドルだけであろうと、全く公約違反ではありません。ただ、何らかの優遇策を付けるとしても、民間がインフラ投資しようと考える(インフラ投資がビジネスとして引き合う)と考えているのであれば、トランプ大統領の計画がなくても、既に勝手に投資しているでしょう。民間が現状でインフラ投資に動いていないのであれば、少々の優遇策を付けても、民間は動かない(8000億ドルも投資しない)と考えられます。

もちろん、10年で2000億ドル規模でも、財政を使わないより使う方が、景気刺激的です。ただ、与党共和党は、財政赤字の拡大を気にしています。トランプ大統領は、当面減税やインフラ投資で財政が悪化しても、それにより景気が良くなれば、税収が増えて財政が先行き改善すると言っていますが(それは正しいかもしれませんが)、議会共和党は、インフラ投資の額を2000億ドルからさらに削ってくるか、インフラ投資の分、他の支出を削ると見込まれますので、最終的には財政が大きく景気を刺激する、ということにはならないでしょう。

こうした点から、予算教書第2弾は、これまでの「失望路線」の延長にあると見込みます、とは言っても、もう失望はとっくに市場で広がってしまっていますので、大した内容でなくても、それが米国株価や米ドルを大きく押し下げるとも予想していません。
最終的には、米国株式市場や米ドル相場には、上にも下にも波乱は生じにくいと考えています。

この他の材料としては、5/25(木)に、OPEC(石油輸出国機構)総会が開催されます。既に5/15(月)に、OPECの盟主サウジアラビアと、OPEC非加盟国であるロシアの間で、現在2017年6月末まで続けると合意されている減産を、2018年3月まで延長するという方針で一致した、と報じられています。今週のOPEC総会では、サウジアラビア以外のOPEC加盟国も、減産期間延長に従うと予想されます。

こうした減産延長は、足元1バレル50ドルを超えてきた原油価格を下支えすると見込まれますが、一方では既に減産延長が見込まれているため、大きく原油価格が跳ね上がることもないでしょう。今後も、50ドル近辺での推移が続くと予想します。

日本国内では、5/22(月)発表の4月の貿易統計で輸出の状況を、種々の小売の業界統計で個人消費の状況を(5/22(月)にコンビニエンスストア売上高、5/23(火)に百貨店売上高とチェーンストア売上高、すべて4月分)、それぞれ推し測ることとなるでしょう。

Next: 世界経済・市場の注目点~「ポスト・トランプ」を巡る議論を整理する

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