営業キャッシュフローの増大が続く
近年のGMは営業キャッシュフローが増大しています。営業キャッシュフローとは本業を行った結果、手元のお金がいくら増えたかを示す財務指標です。
<GM キャッシュ・フロー(2013年~2016年)>
営業キャッシュフローは2015年から2016年にかけて、116億ドルから165億ドルに急拡大しています。投資キャッシュフローは2015年から大幅に増やしています。この投資が将来の利益に結びつくかどうかは現時点では不明ですが、GMの経営陣が強気になっていることは確かです。
自動車市場は拡大し続けている
自動車の生産台数は毎年のように上昇し続けています。調査会社FOURINでは、向こう10年は成長スピードが鈍化しながらも、毎年1~2%程度の市場拡大を予想しています。
<世界の自動車市場と新興国比率長期推移>
GMは長らく世界最大の自動車メーカーでした。現在は世界第3位に転落しています。売上高では、トヨタ自動車(日本)、フォルクス・ワーゲン(ドイツ)、ダイムラー(ドイツ)、GM(米国)、フォード(米国)の順番です。
<自動車メーカーTOP5 売上高の推移(2007年~2016年)>
1位と2位はトヨタ自動車とフォルクス・ワーゲンが争っています。3~5位はダイムラー、GM、フォードが混戦状態になっています。GMは2009年に破産していますが、その後の回復が早く、2016年には売上高でライバルのダイムラーとフォードを追い抜きました。
ROEでライバルに大きく差をつけるGM
自動車メーカーTOP5の中で、GMは最もROEが高い企業です。
<自動車メーカーTOP5のROE(2010年~2016年)>
GMのROEは、売上高世界第1位のトヨタ自動車よりもほとんどの年において高くなっています。2014年にリコールで多額の損失が発生したため波が荒くなっていますが、概ね15%以上をキープしています。
5社の中でもROEが最も安定しているのはダイムラーです。ただし、直近7年の実績ではダイムラーの最高ROEは17%で、GMのROEと比べると、少し見劣りがします。
フォードは一時、債務超過に陥っていた関係で異常な値を示していて、グラフの表示範囲からはみ出ていますが、2014年以降は比較的、安定しています。
バフェット銘柄のセンターピンである「高ROE銘柄」という観点でも、GMは十分に条件を満たしています。そのため、バークシャー・ハサウェイも保有していると思われます。