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結論は売り。今がレンジ相場の最終局面、これで上昇なら驚くほかない=江守哲

金相場は大幅調整、リスクオフ局面でも売られる点に注意

金相場は下落基調が続きました。結果的にサポート水準の1260ドルまで下落しました。ここはチャート上も非常に重要なポイントです。

また売られすぎ感も強く、ここで下げ止まると、一応の底値確認になりそうな感じです。米雇用統計でドル高基調に一服感が出そうなことが、金相場を支えてくれるかもしれません。

しかし、この動きも一過性に終わる可能性があるとみています。

というのも、崩れ方が非常に悪いことと、株安が進めば、リスクオフの資産売却の一環で金も売られる可能性が高いからです。そうなると、1215ドル当たりがサポートになりそうです。

といっても、これもあくまで短期的なサポートであり、本格的に下げるとこの程度では済まないでしょう。

今年の5月の安値である1200ドル前後や、昨年10月の高ね1190ドルがサポートになりそうです。

しかし、これらを割り込んでしまうようであれば、金融市場に相当の混乱が起きていることになりそうです。

いまは安易な買いをするよりも、少し様子を見て、反発基調がある程度見えてきてからにしたいところです。

押し目が深くなってしまうと、早く買ってしまった場合のコストが上がってしまい、その間の評価損が大きくなりすぎますので要注意です。

基本的な目線としては長期上昇です。それでも、できるだけ安いところや確実なところで買いたいので、この考えに基づいてロングを検討するようにしたいところです。

ちなみに、COMEX金市場での投機筋のポジションは、20万5176枚の買い越しで、前週の26万1892枚から大幅に減少しました。

ロングポジションが解消され、ショートが積み増しとなっています。下落基調にあるため、投機筋もさすがに買い持ちを削らざるを得なかったといえます。

まだネットロングが大きいため、今後も手仕舞いが進むかもしれません。この点からも、ロングは少し様子を見ながらが賢明と考えています。

原油は高値確認か、米国の産油量増加も

一方、原油は上昇しました。とうとう節目の50ドルまで来ました。

しかし、先週末はさすがにいったんは売りになりました。上げすぎであったことや、株安などが影響したと思われます。

それにしても強い動きでした。OPEC非公式会合後の買戻しが急速に進んだことが、原油高の背景にありました。

NYMEX・WTI原油先物市場での投機筋のネットポジションは25万4503枚の買い越しとなり、前週の18万1452枚から急増しました。投機筋はやはり買いを入れていました。

より詳しく見ると、ロングを増やし、ショートを減らしています。彼らが慌てて買っている様子がうかがえます。

こうなると、外部要因はあまり関係なくなります。

事実、原油価格が上昇している間はドル高基調でした。ドル高は通常は原油相場を抑制しますが、この期間はむしろポジション調整が価格を押し上げました。

今後はドル相場の動きを見ることも必要になるでしょう。そして、株価の調整が顕著になれば、原油相場もその影響から逃れることはできなくなるでしょう。

50ドルの節目に達したことで、米国の産油量が増える可能性があります。すでにリグ稼働数が増えています。つまり、いつでも生産可能な状況にあります。

米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比3期増の428基と、2月以来の高水準になりました。

稼働数は15週連続で減少した週がありませんでした。これは、2011年の19週と10年の17週に次いで、1987年以来で3番目の長さということです。

これまで一貫して上昇してきたこともあり、今週は調整の週になるとみています。

現在の高値は買いたくありません。短期的にはむしろ、下落に転じたときにショートすることを考える方が賢明といえそうです。

その目安はWTI原油で49.50ドルあたりになると考えています。これを割り込むと売りやすいでしょう。

OPEC総会は11月30日とまだかなり先です。さらに、OPEC非加盟国が先の非公式会合でOPECが決定した減産に参加する可能性は低いとみています。

そうであれば、原油価格が上値を切り上げる動きになるとは考えづらいといえます。

長期的には上昇の可能性が高いと考えていますが、いまは下落リスクを念頭に短期の下げを取ることを考えたいところです。

Next: 「結局はショートが有効」今週のポジショントーク

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