日本株の割高感は明白
日本株も同様にレンジでした。上も買いづらく、下は日銀が買うので下がらない。こんな市場に投資することはできません。
外国人投資家が今年に入ってから6兆円も売っているのもうなずけます。市場の実態がどうなっているのかをわかっていないのは日銀だけではないかと思います。
もしかすると、わかっていながら、現状の政策を続けざるを得ない何かがあるのかもしれません。いずれにしても、日本株に対する興味は大きく低下せざるを得ない状況です。
低下すべきなのは、株価も同じです。これ以上繰り返したくはないのですが、割高感は明白です。
9月末が終わり、10月後半からは上期の決算が出ます。これで輸出企業を中心に業績見通しの下方修正が相次ぐことはほぼ確実です。
そこで本来あるべき株価水準に対するイメージがわいてくるでしょう。そして、いかに現在の日経平均株価が割高であるかを再認識することになりそうです。
本来なら15000円割れが妥当
いまはレンジでスタックしている日本株ですが、本来であれば15000円割れでもおかしくないわけです。この点はすでに何度も説明していますので、今回は省略します。
今週中にも方向性が出てくると考えていますが、その方向性は下であるべきといえます。むしろ、上昇すれば驚くしかないというのが本音です。
もちろん、市場には絶対はありませんので、この見方が外れる可能性はあります。しかし、現在は今後の相場展開を占ううえでも、重要なポイントであると考えています。あるべき方向にいくのが相場であるとの考えは全く変わりません。
現在の買いは将来の売り
一方、日銀のETF買いが想定以上にしっかりと進捗しています。
このままいくと、計算上は年内にも6兆円の枠に達するでしょう。これだけ買っても株価が上がらないわけですから、結局は追随して買う主体が出てこないと、株価は上がらないと言えそうです。
また、「現在の買いは将来の売り」であることも再認識しておく必要があります。
日銀が買い込んだ株がどのような形でいくらで売却されるのか。出口戦略はどうなっているのか。もっとも、当面は売りが出ないでしょうから、いまはあまり重視する必要はなさそうですが。
今週は日経平均株価が16600円から16550円を維持できるかに注目したいと思います。これを割り込んだ場合には、さらに下の16320円が重要です。これも割り込めば、下落基調入りと判断してよいでしょう。
今週はこれらの水準を下回るかに注目しておきたいと思います。むしろそうなるべきだろうと考えています。
繰り返しますが、基本は売り目線です。
いずれは日銀のETF買いが失敗するときがくるでしょう。しかし、それがいつになるかを考える意味はありません。いまは、淡々と下げに備えるポジションを構築することが重要であると考えています。