「仕掛けられた動き」の再来はあるか?
リーマンショックのときのような下げは、仕掛けられた動きです。仕掛けのない動きであれば、取引が一時的に停止するか、まだ下があるかを確認する作業として、大幅な下げのところどころで中段もちあいを形成して、結果として底値をつけるまでに数年かかります。
また、天災によって、突発的にあらわれた下げであれば、一時的に下げた後、すぐに値を戻すことになります(2011年の日経平均を思い出してください)。
リーマンショックのような下げは、後処理までも計画済みであり、守られる側がはっきりしているからこそ、取引停止にもならず、まだ下げるのかどうかという踊り場も作らず、ただ、行けるところまで行くという動きになったのです。
そのような下げは、何か思惑のある場面でしかあらわれません。前回は、大統領選挙の年であり、ブッシュ元大統領からオバマ前大統領へ、共和党から民主党へと政権交代がありました。
次回も同様に大統領選挙に関連した仕掛けがあるとするなら、現在のNYダウの上昇は、暴落前の準備期間ということになります。
以下のことを紹介する前に、必ずそうなると見ているわけではないことは付け加えておきます。
次の大統領選挙でトランプ大統領を引きずりおろし、再び民主党が政権を担うため、2020年に暴落が仕掛けられるとする場合、2004年から2008年までの期間と、2016年から2020年までの期間では、利上げと株高という共通するポイントがあることに気づきます。

図2:2004~2008年、2016~2020年のNYダウの動き方の共通点と予想
図2の上段は、2004年から2008年までのNYダウ日足と、そのときの事象です。下段は、2016年から2017年まで日足と、予想線と起こりうる事象です。
2004年は、以前からの金融緩和により、景気が上向きに推移していることで、4年ぶりの利上げを開始した年です。その後、05年末までに13回連続の利上げを行い、06年7月に見送るまで利上げを続けています。
06年に利上げを見送りとなった後、株価が好感して上昇を開始しています。
07年は、メリルリンチやシティにサブプライムローンの焦げ付きがあり、巨額の損失が表面化したことで株価の上値を抑えられました。その際、FRBは利下げで対処しましたが、結果として役に立ちませんでした。
2016年12月、FRBがようやく利上げを開始し、2017年は、すでに2回の利上げを実施しています。一昨年ごろに想定していた利上げスピードからすれば、緩やかなものになっているため、株価が上値を抑えられる動きになっていません。
利上げによって、株価の上値が抑えられる可能性があるのは、現在の値動きを考慮すると、来年ごろだと推測できます。今年後半は、トランプ大統領が予算を通過させて、減税、公共投資を実施することになれば、米国への投資が膨らみ、株価が上昇すると考えられます。
2004年から2008年までが似た展開になるとするなら、2006年の上昇が2017年にあらわれて、2005年の上値重い動きが2018年にあらわれると考えられます。まだ先の話なので、2018年の下げの大きさや、下げ期間については、このメルマガでいずれ紹介してゆきます。