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カナダの住宅金融機関救済で大儲け「バフェット投資の真髄」とは?=栫井駿介

バフェットが、経営難に陥ったカナダの住宅金融機関ホーム・キャピタルに出資し、すでに90%のリターンをあげたとのことです。最近はAmazonやGoogleなどの成長企業への羨望を口にしますが、彼の本質は師匠のベンジャミン・グレアムから受け継いだバリュー投資であり、ホーム・キャピタルへの投資はその真骨頂と言えます。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

バフェットはなぜ窮地の住宅ローン会社救済を決断できたのか?

株主の「過剰反応」で超割安水準にまで下落

バフェットが救済したホーム・キャピタルとは、カナダで住宅ローンを組成する会社です。厳密には銀行ではありませんが、預金を調達して住宅向けに貸し付けるビジネスモデルは、銀行そのものと言えます。

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経営難の発端は、住宅ローンの借り手の所得に関する資料に改ざんがあったとする問題に絡み、株主を欺いたとして現地の金融当局から処分されたことです。

問題が発覚すると、同社の経営が不安視されたことから、住宅ローンの裏付けとなっていた高金利の預金を引き出す取り付け騒ぎに近い状況が起こりました。

資料の改ざんやそれに対する金融当局の指摘は、ただちに住宅ローンが焦げ付いたり、同社の経営を窮地に陥らせるものではありません。同社の財務状況も健全と言えるものでした。

しかし、預金を一気に引き出されてしまっては、金庫からお金がなくなってしまい、「黒字倒産」も免れない状況になってしまいます。この状況を受けて、同社の株価は最大7割近く下落しました。

ホーム・キャピタル<HCG:CN>(Bloomberg提供)

ホーム・キャピタル<HCG:CN>(Bloomberg提供)

前述の通り経営そのものに問題があるわけではなく、預金者や株主の反応は過剰と言えるものでした。ホーム・キャピタルは、一時しのぎの現金さえ確保できれば、十分な利益を生むことができる会社だからです。

純利益(左)とEPS(右)

純利益(左)とEPS(右)

株価が25ドル前後から6ドルまで下落すると、前期業績に基づくPERは1.6倍、PBRは0.24倍と、とてつもなく割安な水準になったのです。これが潰れないと分かれば、ものすごく「おいしい」投資です。

バフェット率いるバークシャーは、ホーム・キャピタルに20億カナダドルの与信枠を与えると同時に、最大4億カナダドル(株式の38%)の出資を行うことで救済しました。資金さえあれば潰れないことが分かっているわけですから、バークシャーの資金力に物を言わせた力技の部分があるとは言え、まさにバリュー投資の王道と言えるものです。

Next: バフェット流の「本質」は、売り込まれた企業を買うこと

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