バフェットの本質は売り込まれた企業を買うこと
バフェットは、自分の投資を「85%はグレアム、15%は(フィリップ・)フィッシャー」と言っています。
一般的に注目される「いい銘柄を長く(永久に)保有する」手法は、15%のフィッシャー型の投資です。しかし、これはマーケットの強弱や、会社の経営方針など、自分の力ではどうすることもできない要素を多分に含みます。
それに対し、「圧倒的に割安な銘柄に投資する」グレアムの手法(バリュー投資)は銘柄固有の価値に基づくため、マーケットに左右されにくいものです。今回のケースがまさにこれに該当します。
この方法であれば、先の読めないマーケットや将来の業績に左右されることなく、本来の価値を取り戻すことで利益を得ることができるからです。そこで必要なのは先見性よりも、現状を正確に認識し、得体不明の「空気」に惑わされないことです。
この方針に従うからこそ、バフェットのポートフォリオは下落局面に強く、逆にそこで大きく勝負に出ることで高いリターンをあげられるのです。実際にバフェットは、リーマン・ショック後にも金融機関などに莫大な投資をしています。
私が目指しているバリュー株投資も、今回バフェットのように本来価値のある会社が大きく売り込まれたところで買うことを目指しています。
フィッシャーの手法も捨てがたいですが、まずはグレアムの手法を極めたいと思っています。特に、アメリカより潜在成長率の低い日本株は、成長よりも価値が重要だと考えているからです。
つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2017年7月2日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。