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さらに精度向上!日経平均の妥当水準を示す「理論株価」6つのシナリオ=日暮昭

シナリオ分析で探る「日経平均の相場観」

今回はこうした理論株価の特性を踏まえて、ファンダメンタルズが変化した場合の日経平均の相場感を“シナリオ分析”で探る方法をご紹介します。

足元、株式相場は膠着状態を呈していますが、米国トランプ大統領のロシア疑惑、北朝鮮の核・ミサイル開発による挑発、また英国のEU離脱の進展具合など不安定な外部環境を抱え、一方で実体経済を背景に企業業績は改善の感触が強まっているようです。株式市場はこうした好悪両面の要因を計り兼ねて、動きにくい状態が続いているように見えます。

ここで、これら不確定要因が実際にファンダメンタルズの変化として現れた場合に株式市場(日経平均)はどのような影響を受けるのか、いくつかのシナリオを想定して探ります。

以下で、業績(予想EPS)が現状で推移する場合と、4%程度上振れする場合に分け、それぞれについて為替(米ドル)が現状を維持、円高、円安となる場合を想定、都合6つのケースを考えます。具体的な各要因の数値の設定は以下の通りです。

予想EPS(2通り):163円(現状)、170円(4%程度上振れ)
米ドル(3通り):105円(円高)、112円(現状)、120円(円安)。

これらの各ケースの値を上記の理論株価決定式に当てはめることでそれぞれのケースに相当する理論株価、すなわち日経平均の想定値が得られます。

例えば、先行き業績が振れ(予想EPSが170円)して為替が現状維持(米ドルが112円)の場合は、以下のように日経平均は2万492円がメドとなります。

理論株価=-3861+75.0×【170】+103.6×【112】=20,492.2

下表はこうして求めた各ケースに対応する理論株価を一覧でまとめた表です。列方向に予想EPSを、行方向に米ドルをとり、各ケースの交点が当該の理論株価の値を示します。

青色の箇所は現状を示します。理論株価は1万9,967円で直近の7月21日の日経平均、2万99円を若干下回る水準となります。これは逆に見ると、市場は先行きのファンダメンタルズ(どちらかと言うと業績について?)を現状より若干楽観視していることを示していると言えます。

<各ケースに対応する理論株価一覧>

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6ケースのうちで株式市場にとって最も望ましいケース業績が4%程度上振れして予想EPSが170円に達する一方、為替が円安に向かい米ドルが120円まで上昇する場合で日経平均は2万1,000円を超す展開となります。

逆に最も相場に不利なケース業績が現状で推移する中で米ドルが105円まで下がる円高ケースで日経平均は1万9,200円台、現状から800円程度の下げ局面となります。

ここでの想定は1つの例ですが、こうしたシナリオに対応する具体的な相場感を持つことで環境の変化に対して冷静な評価をする道具としてご利用いただけるものと思います。
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※本記事は有料メルマガ『資産運用のブティック街』2017年7月25日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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資産運用のブティック街』(2017年7月25日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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