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GoogleがHTCを買収した背景と1,200億円が「破格」である理由=シバタナオキ

Googleが欲しかったもの#1 = iPhone並のマージン

1つ目は、間違いなく、iPhone並みのハイエンドスマートフォンを大量に販売することで得られる売上と利益になります。

皆さんはiPhoneの1台あたりのマージンをご存知でしょうか。

The iPhone 7 costs a lot more for Apple to build than previous phones did」という記事が詳しいので見てみます。

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$649(約64,900円)のiPhoneを作るための原価と組立費用が、$224.8(約22,480円)だという推測がなされています。つまり原価率が約35%ということになり、別の言い方をすると総利益率は65%もあるという、非常に収益性の高い端末です。

Googleが販売するPixelも、価格帯やハードウェアの部品のスペックを見る限り、iPhoneとほぼ同程度のものとなっているため、Pixelの製造台数がスケールしていくにつれて、得られる粗利益率もiPhoneと同等になっていくと考えるのが正しいでしょう。

現時点では、Pixelの販売台数はiPhoneの販売台数の100分の1程度でしかありませんが、仮にこれを10倍にすることができれば、Googleのような巨大な企業であっても、売上そして損益に与えるインパクトは非常に大きくなることは間違いありません。

Googleが欲しかったもの#2 = iPhone並のユーザー体験

Google がもう1つ欲しかったものというのは、間違いなく、iPhone並のユーザー体験を提供することでしょう。

ここではカメラの例を挙げてみます。

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DXOMark(※画像出典)というカメラ評価サイトによれば、ピクセルのカメラはiPhone 7 Plusよりも高評価でしたが、iPhone 8やiPhone 8 Plusには敵わない、という評価でもあります。

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特にPixelのカメラは、Androidの中では非常に高い評価を得ており、レンズが1つしかついていないカメラでありながら、Googleのソフトウェア開発力で非常に性能が高いカメラに仕上がっている点は、高く評価されています。

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一方で今回、iPhone 8、iPhone 8 Plusに搭載されることになった、A11 Bionicと呼ばれる、Appleが自社開発したチップを見ると、ハードウェアとソフトウェアの融合という点では、Appleにはしばらく敵わないのではないかとも思われます。

Appleは間違いなく、スマートフォンやタブレットでのユーザー体験を最大化するために、そこから逆算して、チップの設計製造までを行っていると考えられます。

そういった中、Googleがチップなどの部品を自社で設計製造できないだけではなく、それを組み合わせるハードウェアの設計製造の部分まで外部に依存しているのでは、当然勝ち目がないと考えたのも、自然な考え方だと言えるでしょう。

今回のHTCハードウェア部門買収によって、チップの自社製造とまではいきませんが、少なくてもハードウェアの製造部分を完全に自社でコントロールすることはできますので、Googleが自らの意思でPixelのユーザー体験をより良くしようとコントロールできる裁量は、大きくなったことは間違いありません。

Next: Googleは「ハイエンドスマホを作れるエンジニア2000人」を手に入れた

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