ヘッジファンド運用者で「陰鬱博士」の異名をとるマーク・ファーバー氏が、メディアのインタビューに答え「米国市場が強気相場の死へ向かっている」との警告を発しました。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年3月7日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
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「強気相場の死が近づいている」マーク・ファーバー氏
ヘッジファンドの運用者で「陰鬱博士」の異名をとるマーク・ファーバー氏がメディアのインタビューに答え、「米国市場が強気相場の死へ向かっている」との警告を発して注目を浴びています。
もともと陰鬱博士と呼ばれるだけのことはあって、いつも暗く後ろ向きな話しかしない同氏ですが、実は意外にも積極果敢に相場を攻めて利益を上げる存在としても知られています。
最近CNBCのインタビューに登場したファーバーは、米国株式市場がじり高を続けている背景について、米国と日欧の金利差が開き始めていることにより、日欧から資金が米国へとシフトしていることをあげています。
しかし、ファーバーはこの流れが変化するタイミングが近づいていると指摘しているのです。
いくつかの理由で調整は必死の局面か
マーク・ファーバーの指摘によれば、まず米国経済は市場で認識されているほどいい状態ではなく、欧州とくにドイツがユーロ安を快く思わなくなる時代がやってくる段階で米国への資金シフトが逆還流し、米国資産が売られるタイミングが近づきつつあると警告しています。
また、共和党であるにもかかわらずトランプが行っている政策運営は財政出動による政府の拡大を意味しており、決して成長志向の政策ではないと否定もしています。
彼の言葉を借りれば、私たちは天国への扉をノックしているのではなく、強気相場の死への扉に向かっているということになるわけです。
リーマンショックの暴落からすでに丸8年半の歳月が過ぎていますから、NY株式市場に大きな暴落がいつ起きても不思議ではないわけですが、世界的に見ても唯一調子がいい国に見える米国の市場に赤信号がともる可能性を指摘するのも凄い見方で、果たしてこれが正しいのかどうか非常に気になる時期にさしかかってきているといえます。
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