典型的な「情報収集術」に感じる違和感
―――情報のアンテナを高くして知識を得ていけば、何でもやりようがあるという時代になりましたからね。
俣野:そうですね。ただ「情報のアンテナ」という言葉がありますが、午堂さんも情報収集術についてはよく質問されたりすると思うんですけど、僕としては世の中で広まってる典型的な情報収集術というものに、どうも違和感があるんですよね。
午堂:あぁ、確かに。「ネットじゃなくて紙の新聞を読めば、自分の興味以外の情報も入ってくる」なんて言われてますけど、実際のところ興味のない情報なんてすぐに忘れるじゃないですか(笑)。
俣野:そうそう。情報さえ集めればシンクロが生まれるみたいな、そんなイメージを持っている方って多いんですが、むしろ余計な情報を入れると迷いが増えると思うんです。必要ない情報っていうのは、むしろノイズでしかないっていうか。
―――情報を得る段階で、ある程度の絞り込みが必要ということですね。
俣野:まぁ、あとは「情報ソースが何なのか」ということですよね。
僕はもともと金融畑じゃないのにマネースクールをやってるんですけど、それが何故できているのかというと、情報のリソースとして「これは」というパートナーがいるからですよ。それこそ僕は、そのパートナーを見つけたことで「これでもう俺は、金融の勉強をしなくて済んだ」と思ったぐらいで。彼らには徹底的に金融のことを聞きまくるし、事象があれば使う。そうやって彼らと話していると、自分の金融リテラシーも上がっていくんですよね。つまり調べるとか勉強するというのではなく、自然に身に付いているというか。
私の場合は、ただ単にそれを勉強で終わらせるのではなく、出版を皮切りに、有料メルマガの発刊、そしてマネースクールにまで発展させています。最近出版されたばかりの『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』は、超一流の仮想通貨の技術者との共著です。最初は自分自身に知識がなくても、自分が世の中に貢献できるポイントに徹底的に注力したら、何屋さんにだってなれるというのがこの時代の魅力だと思います。
これって、語学学習とかもそうですよね。教科書を広げて勉強するより、しゃべる相手が英語を使うから、こっちも英語がだんだんうまくなるっていうのがあるじゃないですか。そういうのがあるんで、僕としては情報の幅を広げるよりも、どこにフォーカスを当てるのかを決めることのほうが重要だと思うんですけどよね。
午堂:よく言われている情報収集術といえば、ビジネス書や自己啓発書とかを手あたり次第に読むっていう人もいるじゃないですか。じゃあ、それでその人の何が変わるかっていうと、変わらないんですよね。
それは何故かっていうと、目的意識がはっきりしていないから、全部情報が流れちゃうんですよね。「自分はこうなりたいんだ」っていうビジョンがあって、そのうえで読むべき本を選べば、そこから得るものはたくさんあるんですけど、「漠然と儲けたい」「楽して儲けたい」ぐらいの意識だと、読んでる内容も具体的な情報として飛び込んで来ないし、ましてはシンクロも起きないと。
だから自分なんかは、情報収集に関しては「儲かる方法」と「コスト削減方法」の2点に絞っています。……あと最近はそれに「子供の教育」も加わってますけどね。「どこのスクールが良いのか」みたいな(笑)。
Next: 目的のない情報収集は時間の無駄になってしまう