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【俣野成敏×午堂登紀雄対談】老後の資産形成、こういう人が失敗する

「見える不安」は怯えなくていい

俣野:まさにそうですね。不安には「見えない不安」と「見える不安」の2種類があるんですけど、「見える不安」に関しては対策が取れるから、怯えなくていいんですよ。

例えば「年金がなくなるかもって言われてるけど、どうなるんだろう?」って思うだけだと、午堂さんの言うところの思考停止になって、それは急に「見えない不安」になってしまうと。

それに対して「見える不安」はどういうことかというと、「じゃあ、老後にはいくら必要なんだろう」「老後っていつから始まるんだろう」といったことがわかると、計算ができるようになるんですよ。例えば70歳でリタイアするとすれば、人生100年時代ということで残り30年。それで「月々いくら必要か」っていうのがわかれば、あとは掛け算をするだけ。そうすれば、額の多少は人それぞれとはいえ、老後に必要な金額が出るじゃないですか。その時点では、どうしたら良いかはわからないかもしれませんが、金額が出ることで「見える不安」に変わるんですよね。

「見える不安」に変わったら、世の中には頭のいい人がたくさんいるので、その人の本を読んだりして色々と調べることで、手立てが見つかってくる。……こういう風なステップを踏めばいいんですよね。とにかく「見えない不安」に怯えている人が、すごく多いように感じますね。

午堂:「なんとなく怖い」って思ってる人って、結構多いですよね。

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俣野:そう、漠然とした不安。でも、いくら資産を持っているという人でも、不安がゼロという人はいないんですよ。仮想通貨でも、成功して「億り人」になったとしても、その保管場所をどうするのかってことで、不安に苛まれてる人も多いわけですし。でも、その不安自体が明らかになれば、対策が取れるんですよね。

午堂さんの著作にも、検索術について書かれた『グーグル検索だけでお金持ちになる方法-貧乏人が激怒する2020年のマネー戦略』がありますが、あれも結局のところ「検索するキーワードを見つける能力が研ぎ澄まされれば、よりいい情報を得られる」ってことですもんね。漠然とした言葉で検索しても、漠然とした情報しか得られない。これと同じで、自分が思っている不安をもっともっと深堀りして、その正体を顕在化させることが大事。「こりゃ困った」の「こりゃ」をハッキリさせることなんですよ。

午堂:私もFXとか不動産投資とか色々やってるんですけど、そのことを周囲の人に言うと「危険なんでしょ?」「怖いんでしょ?」って、漠然としたイメージだけで言って来る人が、あまりにも多いんですよ。それこそ「やったことないのに、危険とか安全とかが分かるの?」って話じゃないですか。それで結局、自分で調べたりやってみたりといったことをせずに、「私には無理です」と諦めてしまう。それって、将来の選択肢を狭める思考の1つですよね。やってみたら意外と大したことなかったってことは、結構多いのに。

俣野:そうなんです。まずは一歩踏み出して、自分が抱えている不安を、ふわっとした状態でもいいから顕在化させると。それができたら、その不安を解消するための準備をなるべく早く始めること。それもある程度算段が付いたら、不安要素は結構下がってるんじゃないですか。そうなれば、「じゃあ、現役時代の今をどう充実させていくか」っていうのが見えてくるんですよ。老後の見通しが立ったとはいえ、現役時代が空しいんじゃ、どうしようもないですからね。

Next: 老後のことを計算してから、現役時代のことを考えるのが賢明

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