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27年ぶり強相場「月足5連続陽線」の日経平均はどう動く?過去データが示唆する夏~秋調整シナリオ

証券各社も迷っている?“歯切れの悪い”日経平均先高観

6月25日(20,868円引けの翌日)の日経新聞に証券のストラテジストや執行役員6人の今後1年の高値予想が出ていた。立場上のポジショントークとしても腑に落ちない。

2万円は到達点でなく通過点だと言うのが通説だが、それにしては高値は、22,500円(野村)から25,000円(大和投信)と言う。これでは「2万円は通過点」としながら今から1年かけて最高値まで7、8%~20%しか上がらない、と言っているに等しい。

この相場が始まって以来、今まですでに2.4倍になり(20,868円÷8,665円≒2.4)、140%も上がっているのだ。「(20,868-8,665)÷8,665≒1.41」になっているのだ。140%上がった相場を今から7%高、20%高と論じて見ても「『森』を見て『一番高い部分』を見てもタカが知れている」ということになりはしないか?

どうせ「いまは旅の通過点だ」と言うなら「神の約束の地カナンは3万円だ。否、4万円だ」くらいの気宇壮大なことを言って見ろと言いたい。武者さんみたいに、である。

3万円説も4万円説もいくらでも理屈はつく。それは「貨車でやってくる」のだから。

相場における「何々年ぶり」をどう活用するべきか?

過去の「何々年ぶり」は、各節目で状態が大きく違っていた、故にあまり意味がない。

ただし、「めったにないことが起きるのは自然ではないから何かの変事があり得る」という意味で捉えていれば大いに意味はある。言いかえれば「何々ぶり」の現象がいくつも起きるとその反動がある、ということになる。

日経平均が2003年春に7,600円台を付けに行く途上、盛んに「何々ぶり」が続出したので万人弱気の中を筆者は強気を主張し自分でも大いに大勢下限銘柄を買った。全部が7,8割上がったので売ったが、その後に3倍にも5倍にもなった。

その強気主張の初め、世人は筆者を「ぶりぶり相場観」と揶揄したが、結果的には的中し03年の3月が大底となり07年の18,261円に向かった。「何々ぶり」が続出すると反対現象が起きるものだという警戒心や期待感をもって観るなら意味があろう。

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山崎和邦(やまざきかずくに)

山崎和邦

1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。

大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。

趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。

著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、近著3刷重版「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)等。

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