24日の日経平均株価は続伸し、00年4月のITバブル高値(20,833.21円)を終値ベースで更新しました。現在の株価水準は割安?割高?気になるところですね。
日経新聞社で証券分析サービス開発に従事、各種日経株価指数も担当した日暮昭氏は、予想EPSと米ドルレートから日経平均の理論株価を求める手法を解説。ポイントは過去の日経平均と理論株価のかい離率で、下マイナス10%、上プラス13%までが妥当水準としています。
日経平均にサヤ寄せする理論株価
下図は2014年1月6日から2015年6月22日までの日経平均と理論株価の推移を日次終値ベースで示したものです。

日経平均と理論株価の推移(日次終値)─2014.1.6~2015.6.22─
図から、2014年は日経平均が理論値から下振れする局面が目立ちますが、2015年に入り2月から上げ足を速め、4月からは2万円前後の高値圏で推移していることが分かります。
一方で理論株価は2015年初から1万8000円近辺で横ばいを続けてきましたが、5月から急上昇し、日経平均を一気に追いかける形になっています。
5月に理論株価が急上昇したのは、5月に入り3月決算の発表が本格化、今期の予想EPSが続々と増額修正で更新されたためです。
逆に言うと、市場は今期の予想EPSを年初からほぼ正しく予想、それを折り込んでいち早く上昇した日経平均を、予想EPSが市場の想定に近付く過程で理論株価が日経平均に追いついてきたことを示しています。
こうした日経平均の理論値は予想EPSと米ドルによって以下の式で示されます(理論値の具体的な算出方法は前回の講座をご参照ください)。
日経平均の理論値=─3630+74.66*【予想EPS】+101.52*【米ドルレート】
ここで、6月22日の予想EPSは142円32銭、米ドルは123円36銭でした。これらを上の式に当てはめると理論株価は1万9518円となります。一方、6月22日の日経平均の終値は2万428円でした。
日経平均は理論値を900円ほど上回っています。
では、日経平均は割高、言い換えれば注意領域に入っていると言えるでしょうか。それを判断するために、過去の日経平均と理論値とのかい離の状態を見てみましょう。
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