日本に「防衛費の倍増」を要求するトランプ
米国が「世界の警察」の座から降りる代わりに、トランプ政権は、日本海と東シナ海の安全保障は日本の自衛隊の保有戦力でこなせ、と言ってきています。
トランプは、安倍政権に防衛費の倍増を要求しているのです。
これは、「世界の警察」である米国から提供される軍事情報によって、日本の自衛隊が、文字どおり、西側の世界秩序のために「世界の警察犬」になることを意味します。
そうなれば、防衛省の背広組は、世界中から日参する「死の商人」たちとの商談にてんてこ舞いになるでしょう。もちろん、米国の軍産複合体にとって、日本は上得意になるはずです。
だから、ワシントンの軍産複合体利権とネオコンは、朝鮮半島の非核化を実現した後、中国人民解放軍の近代化を牽制しながらも、その台頭を本気になって止めようとしないはずです。
こうしたシナリオは、実は3.11の前から練られていたのです。
後述しますが、ワシントンのグローバル・アジェンダは、朝鮮半島の非核化を機に、東西の資源戦争に新しいパラダイムの地平を見ているのです。
米朝首脳会談での想定問答
北朝鮮が非核化の道を進む場合、その総仕上げとなるのが米朝首脳会談です。米朝首脳会談では、次のような話し合いが行われるものと想定されます。
さて、核廃棄に向けて、どのロードマップで行きましょうか?
われわれ合衆国は、金正恩・最高指導者が世界の歴史に残る偉業を達成するお手伝いをしたいと考えています」
金正恩:「わが偉大なる北朝鮮の同盟国である中国とロシアの内諾をすでに得ており、核廃棄に向けての努力に傾注することはやぶさかではない」
トランプ:「承知しています。では、どのロードマップで行きましょうか?」
金正恩:「それより、トランプさん、本当に黄金のキャデラックをくれるんでしょうねぇ」
トランプ:「もちろんですとも! 私が政治家ではなく、終生ビジネスマンであることをお忘れになったわけでしないでしょう? 政治家ではないからこそ、私は嘘をつかないで済むのですから」
金正恩:「それなら、我が国の核施設をすべてアメリカさんにあげちゃいます!…と言いたいのですが、北朝鮮には金がないのです」
トランプ:「もちろん、南北統一には莫大な金がかかりますからね。私に良いアイデアがあります」
金正恩:「なになに、私だけにこっそり教えてくださいな」
トランプ:「核の廃棄が進んで、いよいよ南北朝鮮統一の段階にきたとき、日本人拉致被害者を日本に送還することを条件に、安倍政権から10兆円ほど引き出してみてはいかがかな?」…
金正恩:「なーるほど、さすがトランプさんは駆け引き上手ですね。でも、それまで安倍さんは持つのでしょうか?」
トランプ:「知らんけど」
拉致被害者の心情を考えると不謹慎なたとえであることは承知していますが、しかし、これが国際政治の冷酷さなのです。