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1億円で足りる? 億り人と庶民に共通するアーリーリタイア「成功の鍵」とは=俣野成敏

仮想通貨や相続等で突然に大金を得る人がいますが、1億円あればリタイアできるでしょうか? 今回は億り人にも庶民にも共通するマネープランの作り方を解説します。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネープランの実現にコミットしたマネースクールを共催。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが10万部超えに。著作累計は44万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を3年連続で受賞している。

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2018年4月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

仮想通貨で1億円を得た40代の独身男性。仕事を辞めても大丈夫?

いくらあれば仕事を辞められるのか?

「会社に行かず、好きなことだけをして暮らせれば、どんなにいいだろう?」。サラリーマンをしていて、おそらくこう思ったことのない人はいないのではないでしょうか。だとしたら、だいたいどれくらいのお金があれば、それが可能になるのでしょうか?

2016年9月、マイナビニュース会員の男女301人を対象に行われたアンケートがあります。その調査の中で「宝くじで1億円が当たったら会社を辞めますか?」という質問をしたところ、「はい」と答えた人は37.5%で、「いいえ」と答えた人が62.5%でした。

傾向として、「会社を辞める」と答えた人は「代わりにアルバイト程度の仕事をする」といった、「時短の仕事をする」という回答が目立ちました。「辞めない」と答えた人は「1億円では足りないから」といった意見が多数を占めました。

結論としては、多くの人が「30~40代でリタイヤをするのに、1億円では足りない」と考えているようです。

仮想通貨長者も税金の包囲網からは逃れられない

最近は「相続」「生前贈与」「仮想通貨の爆上がり」などで、以前に比べて大金を手にする人が増えています。私が専門家と組んで運営しているマネースクールにも、そうした突然に膨らんだ資産の扱いに困った人がしばしば相談に訪れます。

たとえば先日、やってきた32歳のOLの方は、現在の年収が400万円ほどです。たまたま買った仮想通貨のマイナーコインが値上がりし、相談当時の時価では4億円ほどになっていました。相談は「会社を辞めたい。何とか税金を払わずに海外へ移住する方法はないか?」というものでした。けれどこれは、大変危険な行為です。

確かにお持ちのコインを、仮想通貨取引所などで表示されている価格に換算すれば、その金額にはなります。ですがマイナーなコインであればあるほど、多額のコインの売却は市場に大きな影響を与えます。

つまり、それだけの額を下手に両替しようとすれば、大暴落を引き起こしかねません。基本的にはビットコイン、イーサリアム、リップル以外の通貨を億単位で売却するのは、一筋縄ではいかないでしょう。

続いての問題点として、「税金を払わなくて済む方法はない」ということです。現在、仮想通貨は雑所得に分類され、利益に対して累進課税で最大45%、住民税全体の10%を含めると、実効税率50%以上が課税されます。税制の見直しを求める声は挙がっているものの、それがいつになるのかは未定です。いくつか節税できる可能性はありますが、税理士会計士の中でも理解している方がほとんどいないのが現状です。

さらに海外移住については、場所と期間を決めて、事前に必要生活費等の計算をする必要があります。そもそも、これまで人間的なつながりのまったくなかった異国に生活の居を構える、というのは簡単なことではありません。ましてや移住のために仮想通貨を売却するとなると、税金が必ず絡んできます。

何より、「まだ元気なうちから老後同然の生活に入り、世間から忘れられた人生を送ることになってもいいのか?」ということに疑問を感じざるをえません。

誰でも適切なマネープランを設計すれば老後資金を準備できる

さて。今回は「億り人の家計簿診断」特集をお送りします。

この特集では、当マネースクールに以前、お越しいただいた億り人の方を参考にしながら、「資産形成の方法」や「マネープラン」の実例をご覧いただこう、というのが趣旨になります。基本的な家計簿診断は、普通の人でも億り人でも同じです。

これはつまり「億り人でなくても、きちんとマネープランを設計すれば、十分な老後資金を準備することは可能だ」という意味でもあるのです。

Next: 突然、大金を得たら? マネープランのベースとなる考え方

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