経済成長を続ける世界で、全資産を現金で所有していると相対的な価値は毎年目減りします。今回は、私が25歳の時に知っておきたかった資産運用のイロハを解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※この記事の内容は投資を推奨するものではなく、投資助言をするものでもありません。あくまで私の実践している方法を公開するだけの内容になります。皆さんにとっては当たり前かと思いますが、あくまでも投資は自己責任で行ってください。
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2018年4月10日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
初級から上級まで、資産運用について知っておくべきイロハを解説
資産運用は資産家のためのもの?
「資産運用」というと、大きな資産を持っている資産家のためのものだと思われる方も多いかもしれません。実際、10年くらい前まではそうだったと言っても過言ではないでしょう。
テクノロジーが発達する前は、資産運用といえばファイナンシャルアドバイザーなどの専門家を個人が雇う必要があり、ファイナンシャルアドバイザーは通常資産が1億円程度ある人でなければ相手にしてくれないのが通常でした。
最近はフィンテック系のサービスが大きく進歩して、ひと昔前までは大きな資産を持っている人にしか提供されていなかったサービスが、人工知能などを使ってより安価に、我々のような一般庶民にも提供されるようになってきました。
資産運用は素人には怖い? 危ない?
資産運用と聞くと、素人には怖い・危ない、と思う人も多いかもしれません。実際私もそう思っていましたが、アメリカに来てから考え方が180度変わりました。
私が物心ついてから日本にいる間はデフレの時代であったため、資産は現金で持っていても相対的な価値が目減りすることはありませんでした。
一方で、アメリカに来てから気が付いたことですが、世界全体でみると毎年少しずつインフレしているわけです。毎年インフレしている中で、自分だけが全資産を現金で所有していると、相対的な価値が毎年目減りしていくことになります。
ある時、現金で全資産を保有していることの方がはるかに大きなリスクだと気づきました。
対象となる人と資産運用の心構え
この記事の対象になる人は、これから世界経済は成長していくと信じられる人です。
世界経済が成長していくのであれば、ほぼゼロ金利の状態で銀行に預金として預けておくよりも、現金以外の形で資産を保有して、世界経済が成長するスピードと同じかそれ以上、早く自分の資産を増やしていきたいと考えるのは自然なことです。
逆に、今後は世界経済が成長することなく進んで行くとお考えの方は、この記事に書いてあるような資産運用などは一切行わずに、すべて現金で保有していく方が合理的な考え方になります。
この将来予測に関しては、皆さんそれぞれ個人のリスクでご判断ください。
資産運用において、特に素人が行う場合、大抵の方の目的は、リタイア後の生活費・家・子供の大学の学資が目的になるかと思います。
そういった意味で、この記事で対象にするのは、10年・20年といった長期で資産形成をしていきたいという方になります(逆に言うと、来年までに資産を2倍にしたい、というようなギャンブルをしたい方は、この記事を読んでもあまり参考になりません)。
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