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そのまま持っていれば良かった…と悔やむ前に「売る必要のない銘柄」に投資しろ=栫井駿介

「売る必要のない銘柄」にだけ投資する

これらを踏まえて、私も投資姿勢に修正を加えなければと考えています。つまり、(1)で推奨したら(2)になっても簡単には売らないということです。そのためには、(2)であっても売る必要のないほど「いい銘柄」に投資する必要があります。

(2)のステージにあっても、着実に成長を遂げる銘柄は上昇を続けます。株価が成長性を十分に反映していなければなおさらです。成長を続ける企業の本質的な価値は、利益の再投資による内部成長で複利的に増加します。内部成長は配当や売却益と異なり、投資収益に対する課税はありません。

ここで重要なのは、(1)の時点で成長が期待できない銘柄は買わないということです。成長性が期待できなければ、(2)でただ待つことは収益機会を逃すだけでなく、リスクを増加させるだけです。

(2)に入ってから無理に買い増しする必要もありません。成長性に期待できると言っても、結局のところ確実な未来などありません。(1)のステージで安いうちに「仕込み」を完了させてしまえば、予期できないことが起きた場合の下落リスクを大いに低減することができるでしょう。

成長を遂げて投資家の期待が高まり、買いが買いを呼んで(3)のステージに到達した時がいよいよ売り時です。(3)のステージに達するには話題性を呼ぶ必要があり、(2)と同様に最初の時点で大きな成長性が期待できる銘柄に投資しなければなりません。

(1)→(3)を通じて大きな利益をあげるには、相当な時間を要するでしょう。しかし、それでこそ長期投資の醍醐味であり、企業の本質的な価値の増大を享受する投資の王道であると考えます。これを実現するためには、「本当にいい企業を、割安な価格で買う」という厳選投資の姿勢が不可欠です。

長い時間のかかる優良企業への投資を、バフェットは以下のように表現しています。

時間はすばらしい企業にとって友であり、二流企業にとっては敵です。

「いい企業を安く買う」という原則は常に変わりませんが、これからは「いい企業」に対するこだわりをより強めていきたいと思います。


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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2018年8月9日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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