fbpx

ニトリにとどめを刺された「大塚家具」、久美子社長が犯した2つの戦略ミスとは=栫井駿介

誰が買うのか。関係者たちのチキンレースが始まった

さらに言うならば、このまま民事再生法や会社更生法を申請してもらった方が、より望ましい条件になると言えます。

新しい経営者に代わったとして、やはりまず必要なのはリストラでしょう。単純な出資後のリストラだと「乗っ取り屋」のレッテルを張られかねませんが、経営破綻してしまえばその大義名分ができます。

日本航空<9201>も、会社更生法の申請でリストラを敢行できたからこそ、のちの復活につながりました。

経営破綻すると、ほとんどの場合100%減資を行いますから、既存の株主がいなくなり、資本政策も行いやすくなります。新たなオーナーとしては理想的な展開です。

どの買い手候補も、少しでも安く買おうと思って交渉を焦らしていることでしょう。しかし、どうしても買収したければ、ライバルに先手を打たなければなりません。久美子社長としても、他の交渉相手の影をちらつかせてより有利な条件を引き出そうとするでしょう。

関係者の中では、まさにチキンレースが行われているのです。

大塚家具の株式は、上場したままスポンサーが付けば株価が持ち直す可能性がありますが、一方で経営破綻のリスクもあります。株式の取引は、もはや本業の強さとは関係のない賭博場と化しているのです。

一か八かにかける「投機家」でなければ、同社の株式への投資は控えたほうがよさそうです。親子喧嘩に端を発したこのドラマは、いよいよ佳境を迎えています。


つばめ投資顧問では、株式投資による資産増加にとことん付き合うプロジェクト「スノーボール計画」を実施しています。確かな資産形成を目指すあなたのご参加をお待ちしています。

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

【関連】ひとり負けの「かっぱ寿司」、好調のスシロー・くら寿司とどこで差がついた?=栫井駿介

【関連】ただの食い物屋になってしまった「鳥貴族」、客数と株価を落とした戦略ミスとは?=山田健彦

【関連】中国勢の引き上げで湾岸タワマンは売れ残りへ。いつ家を買うのが正解なのか?=午堂登紀雄

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年8月30日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問

[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー

ついでに読みたい